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noteにバックナンバー引っ越し中に伴いブロマガにも再掲載! 新日本プロレス、ゼロワン、ハッスル、超大花火プロレスを作ってきた男、中村祥之ロングインタビュー。第2弾はゼロワン旗揚げから崩壊まで……(聞き手/ジャン斉藤)

前回はこちら
【負けたら即引退試合SPの舞台裏】中村祥之「新日本プロレスに橋本真也の味方はいなかったんです」



――
紆余曲折ありながら、橋本さんはゼロワンを旗揚げすることになりますが、あの時点で新日本と橋本さんの関係は切れていなかったんですよね。


中村 ゼロワンの旗揚げ戦は、新日本プロレスの名前で両国国技館を借りてもらってたんですよ。ただ、NOAHさんからけっこうな人数のレスラーをお借りする手前、新日本が表に出るわけにはいかない。橋本さんもNOAHさんには「新日本とは切れました」と説明してましたから。


――それでも新日本傘下の団体ではあったと。


中村 新日本プロレスの衛星団体として、ゼロワンを活動させるという思惑があったんですよ。橋本真也というレスラーは新日本の本隊にはもういらないけど、もうひとつの物語を作るのはいいんじゃないかと。それにゼロワンは新日本と違ってテレビ朝日の括りのない団体だから、自由にいろいろとできるわけですよね。


――そこの猪木さんのUFOと発想は近いんですね。


中村 似てますね。新日本の上層部はゼロワンでもそういう考えがあったでしょうし、方向性が見えていたわけですよね。だから3月2日の両国国技館をやる前から、ゼロワン第2戦の会場として日本武道館も抑えてたんです。


――衛星団体としてやる気満々だった。


中村  あのときたまたま両国も武道館もボクが営業担当だったんです。でも、新日本が表に立つことはできないから「ZERO-ONE広報 山口悦男」という名刺を作って動いてたんです。


――山口悦男さん!(笑)。


中村 みんなわかってるんでしょうけど、「私は山口悦男です!」と(笑)。


――ハハハハハハハハハハ! メインイベントは三沢光晴&秋山準vs橋本真也&永田裕志という対抗戦で、試合後は小川直也、藤田和之らも加わっての大乱闘劇が話題を呼びましたが、新日本主導のプロデュースなんですか?


中村 いや、すべて橋本さんです。そこは新日本が橋本さんに全権を預けたんです。あのときの橋本さんは目がイキイキとしてましたよ。自分しかできないことをやってる喜びと言うんですかね。NOAHさんとも話をしたのは橋本さんですし。新日本がやってるとなったらNOAHさんは協力はしてくれなかったと思うんですね。


――そうはいってもNOAHは新日本の影を感じてたんじゃないですか?


中村 そこは三沢社長に大人の対応をしていただいたんだと思います。ただ、ゼロワンがテレビ朝日の管理下に置かれていないのは事実だったし、NOAHさんの日テレ中継が開始するのが4月だったので、タイミングはよかったんですよ。ゼロワン旗揚げ戦の3月はギリギリセーフ。


――つまりNOAHにもしがらみは何もなかったんですね。


中村 あの当時、NOAHのリングで三沢社長と秋山さんはタッグを組んでなかったんですけど、「ゼロワンだったらいいよ」と。異例のタッグを組んでくれたのは橋本さんに対する三沢社長の御祝儀ですよ。ボクも“山口悦男”ながら「いまは新日本ですけど、のちのちZERO-ONEに合流します」とNOAHさんに挨拶してるんですけど(笑)。


――本当にゼロワンに合流する考えはあったんですか?


中村 あのときは正直そんなことは考えてなかったんですね。あくまで新日本からの出向という立場だし、橋本さんが社長の団体って怖いじゃないですか(笑)。


――ここまでの経緯を振り返ると、ちょっと飛び込みたくはないですね(笑)。


中村 橋本さんのことはひとりのレスラーとしては尊敬してますけど、経営者としてはいかがなものか……って(苦笑)。だから願わくば新日本とゼロワンはずっと繋がっていてほしいな、と。


――ゼロワンへの出向を拒否することはできなかったんですか?


中村 じつはあのときゼロワンの法人格を取得してるんですよ。有限会社ゼロワン。橋本さんが代表で、そのとき新日本からゼロワンに行くスタッフはボクじゃなくてWさんだった。


――武藤(敬司)さんと全日本に移籍してW−1をやったり、そのあとK−1広報を務め、現在は再び新日本に戻っているWさん。


中村 Wさんがゼロワンのフロントトップという話が決まってたんですけど。3月2日の旗揚げ戦のあとに新日本と橋本さんが揉めるんですよね。理由は旗揚げ戦で橋本さんがガッチリ儲けちゃったから。


――あらまー(笑)。両国国技館、超満員でしたもんね。話題性もありましたし、たしかゼロゼロ年代以降の『週刊プロレス』で一番売れたのは、旗揚げ戦の詳報号だったとか。


中村 新日本としては「興行の売り上げを新日本に入れろ」と。橋本さんは「これは自分でやった興行だから嫌だ。会場の使用料、選手のギャラは渡す」と。しかも橋本さんは、盛って返したんですよ。でも、新日本は全額じゃないとダメだと。


――それは揉めますねぇ。


中村 でも、有限会社ゼロワンの代表取締役は橋本真也だから。


――法的には橋本さんに分がありますね。


中村 あの興行が5000〜6000人しか入ってなかったら、あんなに揉めることはなかったんですよ。それがとてつもない人数のお客さんが入って、チケットは完売。PPVもバカ売れですよ。ボクの記憶だと、あの日の売り上げは8000万円くらいありました。


――8000万円!


中村 当日券の行列が両国から駅まで伸びちゃって、対応が間に合わなくて両国国技館から怒られちゃいましたから。まだけっこうな人数が並んでるのに「申し訳ないですけど、チケットは売れ切れです!」ってお客さんに謝りましたからね。それでなんだかんだ経費を除いても4000万円は手元に残ったんですよ。

・小川直也と三沢光晴、激突の裏側
・NOAHがゼロワンから離れた理由
・『真撃』とは何だったのか
・橋本真也vs百瀬博教
・橋本真也vs前田日明
・福岡空港の白覆面騒動
・払いすぎた給料
・ゼロワンの止めを刺した国税
・冬木薫の登場……13000字はまだまだ続く


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