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RIZIN名古屋で平本丈と対戦する冨澤大智選手インタビューです!(聞き手/ジャン斉藤)

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・北岡悟「いまのMMAは打撃競技。だけどグラップリングをやっていないと、いざというときに…」







――
冨澤選手はRIZIN名古屋大会で対戦する平本丈選手には、どういうイメージを持ってるんですか?

冨澤
 うーん、マジでイメージは何もないですよ。ボクは相手の映像をめっちゃ見るタイプですけど、ほぼ見てないです。人に興味を持つタイプのボクが、彼には興味が湧かないですよねぇ。 正味あんま燃えてないんですよ。

――
えっ、試合前なのに大丈夫でしょうか……。

冨澤
 まあ、たぶん勝てる自信がめっちゃあるからですけど。「どっちと対戦するんだろう?」って感じなんですよね。「平本丈」と対戦するのか、「平本蓮の弟」と対戦するのか。よくわからないから、彼に全然興味が湧かないんですよね。RIZINの記者会見にも来ないのは、彼の考えなのか、平本蓮選手の考えなのか。

――
平本丈の本音が見えないと。

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冨澤
 自分の意思だったらいいと思うんですよ。結局、世間やボクからしても、平本蓮くんがいなかったら「オマエは何ができるの?」って話ですよね。男って、そういう扱いは嫌いなんですよ。たとえば、学生の頃でいったら、親が金持ちだからって調子こいてる奴っているじゃないですか。で、大人になってもそういう生き方しちゃうんだなみたいなところに全然興味を持たないんですよね。べつに彼の人生だから好きにすればいいと思うんですけど、俺は彼が平本丈として生きて、ストーリーを築いていったほうがカッコいいのにって思っちゃう。カッコよくない人に俺は興味が湧かないんですよ。彼が格闘技にどういう思いを描いてるかわかんないし。でも、勝負なので勝ちにいきますけどね。

――
冨澤選手はMMA3戦目になりますが、いまの練習はどういうサイクルなんですか?

冨澤 月曜日は11時からプロ練をしています。火曜日は10時からレスリングをやって、そのあとにプロ練。水曜日は10時にパーソナルトレーニングをやって、13時半からまた別のパーソナルトレーニング、14時半からプロ練。木曜日は8時から打ち込みをやってプロ練。金曜日はレスリングをやってプロ練、土曜日はボクシングをやって……という感じですね。

――
充実していますね! 

冨澤
 そうですね(笑)。休日は日曜日だけです。MMAはやることが多いし、いまのうちにやっておかないと……30歳過ぎてからだと無理できなくなっちゃうので。

――
身体の疲労も相当あると思うんですけど。

冨澤
 試合前は疲れすぎて気持ち悪いくらいです(苦笑)。

――
もともとはキックボクサーでしたけど、MMAはもう別世界というか、やることが多いわけですね。

冨澤
 違いますね。MMAは本当にやることが多いです。キックボクシングのときももちろん練習はすごく真剣にやっていたんですけど、MMAはそこからさらにやる要素がすごく増えるので、練習量が急激に増えました。

――
冨澤選手はブレイキングダウンで名前を売って、人気があるからこそ、専業で格闘技に取り組める強みがありますね。

冨澤
 そこはありがたいことに格闘技に専念させていただいているので、そのぶん頑張らないといけないなっていう感じです。そこはキックの頃から見据えていました。当時のボクは仕事を掛け持ちしながらキックをやっていたんですけど、トップ選手は24時間練習に使える環境にいるのに、ボクらみたいな下っ端の選手は仕事をしながら格闘技をやらなくちゃいけない。トップ選手と比べて実力が足りていないのに、努力が追いつかない環境にいる葛藤がすごく強かったんです。

――
練習したくてもできない歯がゆさですね。

冨澤
 ボクの場合、格闘技を始めたのが遅かったので、まずは練習環境を整えることがすごく大切だなと思っていて。それを変えるべくブレイキングダウンに出た理由もありますね。まずはトップ選手よりも練習できる環境を作る。そうしないと追いつけないんで、そこはすごく意識していました。トップの選手は8時間とか練習できる中で、こっちは仕事を掛け持ちしながら、限られた時間の中で練習するしかない。20歳で格闘技を始めたボクからしたら、それじゃあいつまで経っても追いつけないなっていう不安は常にありました。

――
ブレイキングダウンで名前を上げることは、強くなる環境作りの一歩ではあったんですね。

冨澤
 ちゃんと格闘技をやりたい人がブレイキングダウンを経て、格闘技に専念できる環境を整えるのはすごくいいことだと思っています。実際にボクはその恩恵を受けている人間なので。でも、昔から格闘技に携わっていた身としては、その場だけで盛り上がりたい奴らが日の目を見るのは、ちょっと違うなっていうか。「目立つのはオマエらじゃねえんだよ」と腹が立つところはありますね。格闘技の世界の主役は格闘家だという思いは常にありました。

――
冨澤選手はブレイキングダウンの一部の選手に批判的なところもありますよね。

冨澤
 うーん、批判というよりは、本気でやってない人が好きじゃないんです。そういう奴を肯定する気もないし、べつに批判する気もないですけど。ボクもブレイキングダウンに出ていたけど、一緒にしてほしくないなと。こっちは本物になりたくてやってるから、そこは一緒にしてほしくないですね。まあ格闘技ファンからすれば、ブレイキングダウンはそういう選手が大半だと思われてますけど。そういう選手ばっかりじゃないことを結果で証明していきたいですね。RIZINで実力を証明していけば、そういう声を全部ひっくり返せると思います。

――
MMAのバックボーンでは最も適しているのはレスリングだと言われてますけど、ボクは昔から野球最強説をずっと唱えていて。

冨澤
 それはどうなんですかね?(笑)。

――
冨澤選手も名門校で野球をやってましたよね。

冨澤
 ボクは小学校1年生から高校を卒業するまでの12年間、ずっと野球をやっていて。そこで学んできたことが、格闘技でも活きているのかなって思いますね。たとえば練習に対する取り組み方、うまくなる人とうまくならない人の違いとか。ボクはプロ野球を目指していたんですけど……。

――
ポジションはどこだったんですか?

冨澤
 ピッチャーでした。

――
それで甲子園が狙える高校に推薦入学ってエリートですよ!

冨澤
 いやいや(苦笑)。結局ケガをしてボールを投げられなくなっちゃって。そのケガも含めてすごい勉強になったというか、練習のやりすぎもよくないんだなっていう。

――
やりすぎちゃいました? 

冨澤
 やりすぎちゃいましたねぇ(苦笑)。「どうしてボクはプロになれなくて、他の人たちはプロになれたのか」ってことをすごく考える時期があって。「その人たちと自分の違いはなんだったんだろう」と。そうやって考えたことが格闘技の練習に活きていると思いますね。

――
学生野球ってとにかく練習をやるから、学びは大きいんですね。ちなみに野球ではどんなケガをされたんですか? 

冨澤 いろんなところをケガしちゃいました。アキレス腱もそうだし、肩は血行障害、肘もやっちゃいました。全身、傷だらけでした。ケガしないようにどれだけ注意を払ってもケガはしちゃうんですけど、最小限そのリスクを減らしていかないとケガに泣いちゃいますね。

――
それが身に染みて……

冨澤
 いまも身に染みてますね(笑)。格闘技にケガはつきものですから。

――
ケガをしたくてする人はいないですもんね。学生スポーツって「やらされる練習」が多かったですよね。

冨澤
 そうですね。でも、中学3年くらいから「やらされる練習」から脱却して、自ら考えて練習するようになりました。ボクが入った高校はタチの悪い先輩たちが多くて。全然強くなかったのに偉そうにしてる人たちがいたり、暴力もすごくあって「こんな下手くそな奴らにでかい顔されるのはムカつくな」と思ったことで、自分ら代のチームを強くしようと。そういう考え方は高校時代に身についたような気がします。

――
ただ練習をやらされるんじゃなくて、自分で考えてやると。しかし、結果が出せない野球部員が悪い方向に行くのは、よくありがちな話ですね。

冨澤 ボクらの代は最初は26人いたんですけど、そのうち22人くらいはヤキで入れられたって。そのうち5、6人は骨を折ったりとか、けっこうなケガをしたんですよ。

――
うわー!

冨澤
 けっこうタチが悪かったんですけど、野球は全然弱くて。だからすごくカッコ悪かったですよね。

――
冨澤選手の代は下級生イジメはしなかったわけですね。

冨澤
 はい。でも、厳しくしないといけないときは厳しくしますね。でも、理不尽なヤキとかは違うなって思って、そんなことはやらなかったですね。

――
今年の甲子園も広陵の件でいろいろ騒がれてますけど、いまだに悪しき伝統が残ってるんですね。

冨澤
 そうですねぇ。人に優しいほうがいいっすね。なんで自分より弱い人に厳しくするのかなって。そんな感じだから先輩とも仲がよくなくて、めっちゃ揉めてましたね。

――
高校の体育会系だと上下関係は絶対ですけど、先輩相手に楯突いてたんですねぇ。

冨澤
 5対1とかでヤキを入れられましたよ。アイツらは1人で勝てねえから。

――
5人がかりでやってくるって冨澤選手って、もともとケンカが強いタイプだったんですか?

冨澤
 うーん、ケンカが強い……まあ強いほうだったと思いますけど。気に入らないことには気に入らないっていう人だったんですよ。間違ってるなら立場も関係ないでしょって。そこは自分を曲げたくなかったです。



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