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【男たちのプロレス屋形船】友情とカネが砕け散ったWJ……■髙田龍インタビュー後編
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【男たちのプロレス屋形船】友情とカネが砕け散ったWJ……■髙田龍インタビュー後編

2016-01-21 00:00
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90年代インディの夢と地獄を語ったインタビューが大反響だった髙田龍氏。
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永島のオヤジは「まだ金が入ってないよ!」「どうなってるんだ!?」「今日中に2000万円が入らないとダメになっちゃうんだよっ!」と騒ぐんですよ



――インタビューの後編は高田さんが深く関与したWJについてお聞きいたします。

髙田 WJに関しては、社長の福田(政二)さんが悪い、永島(勝司)のオヤジはかわいそう……みたいな内容の記事がいくつかありますよね。私からすれば「それはないだろ!」って思いますよ。

――そのWJは、前編でも登場された北関東グループ会長と、永島さんが会ったことから、いろいろと動き出すことになったそうですね。

髙田 永島のオヤジが新日本プロレスをやめたと聞いたので、連絡を取ったんです。彼のよくない噂はいろいろと聞いてましたよ。でも、噂を鵜呑みにして「この人間はこうだ」とか決めつけたくないし、私自身はとくに酷いことはされなかったし。

――高田さんは夢ファク時代に永島さんと交流はあったわけですよね。

髙田 私は永島のオヤジにお世話になった人間です。彼には「平成の仕掛け人」のイメージしかなかったし、クセのある人だといろんな人には聞かされたけど(笑)。あの時期に新日本をやめたってことは円満退社ではないだろうし、「おつかれさまでした」という慰労の電話をしたんです。「やめてどうするんですか?」って聞いたら「何もやらないよ」と。「また団体を興すんじゃないですか?」「やらない、やらない(笑)」。そんなやりとりをしたんですけど、一席設けて労をねぎらうってことになって。それで指定された店に行ったら、先客とやりとりしてるんですね。横の席に座って話を聞いていたら、どこかの出版社から本を出すということで、相手はライターと編集者。永島のオヤジはお酒を飲んでてロレツが回らなくなっちゃってね(笑)。彼はお酒に飲まれちゃうタイプなんですよ。

――よく存じあげております(笑)。

髙田 そうしたら「本のギャラはいつもらえるんだ?」という話ばっかになっちゃって。でも、永島のオヤジの言い方が要領を得ないから、編集者にその意図が伝わらなくてね、仕方なく私が「前払いはできないんですか?」って聞いてあげたんです。編集者は「ちょっとそれはできないんです。お支払いは1ヵ月後になります」と。そんな話を耳にしてるのが、やんなっちゃってねぇ。

――さびしい話ですもんね。

髙田 だったら私が代わりに立て替えるからって。金額は40万円。

――えええ(笑)。

髙田 出版社が永島のオヤジに払うお金を私がもらうことにする、と。1ヵ月のタイムラグですしね。そうしたら「いやあ、龍さん悪いなあ!」って喜んじゃって喜んじゃって。そういうふうに感謝されるのもイヤだったんですけど(笑)。

――しかし、新日本をやめたばかりなのに、そんなにお金がないってどういうことなんですかね?(笑)。

髙田 そこから2人きりで話をしたんだけど、永島のオヤジはあらためて「プロレス団体はやらない」と言うんです。でも、私が「リングならありますよ」ってポロッと言っちゃったんですよね。

――夢ファクのリングが残ってたんですね。

髙田 そうそう。北関東グループ関連企業の倉庫に置いてもらってたんです。そうしたら永島のオヤジ、急に表情が変わっちゃって。やっぱり助平根性があったんじゃないですかね(笑)。いろんな計画をしゃべり始めたんです。「そのうち長州も新日本をやめるぞ!」と。なんだ、やる気満々じゃないかって。

――永島さんと長州さんの意思疎通はできてたんですか?

髙田 できてたんじゃないですかね。というか、リキちゃんが新日本をやめるとなったら、やることはプロレスしかないだろうし。あの頃はテレビに出てタレント業をやるような柔らかい人間じゃなかったから。

――プロレスをやるとなると、永島さんと手を組むしかないんですね。

髙田 あとになってわかったんですけど、リキちゃんはパートナーが永島のオヤジじゃないと絶対にダメってわけじゃなかった。でも、新日本で長年一緒にやってきて気心も知れてるし、リキちゃんはよく言ってた。「オヤジは期待ハズレなところもあるけど、裏切らないよ」と。

――永島さんって悪い人じゃないんですよね。

髙田 そうなんですよね。最終的にはリキちゃんのことは裏切ったんだけど……。当時の私からすれば、永島勝司といえば新日本プロレスというメジャー団体の重役さんですよ。信用はしますよね。編集者とお金のやり取りとしてるときは「……大丈夫かな?」とは思いましたけど。

――不安にはなりますよね

髙田 永島のオヤジは新日本が一番良い時期にやってたわけでしょ。正直ね、金銭感覚がおかしいんですよ。プロレスラーだったら「仕方ない」となるけど、あの人は一般人。「背広レスラー」とはよく言ったもんだと思うけど。それで話は進んで「プロレス団体をやる初期投資として2000万円必要なんだ」と言うわけですよ。永島のオヤジはかなり酔っ払っていたし、その場で何か決めることはなくて「お世話になったし、何か力になれれば……」なんて社交辞令で終わったんですけど。帰り道に「2000万くらいだったら、なんとかなるかなあ……」って考えが頭をよぎったんですよね。

――出版の前借りもそうですけど、高田さん、お金持ってますね。

髙田 その頃の私は熊谷で始めた水商売が大成功しちゃって余裕があったんです。いまは、あとかたもなくなっちゃったんですけどね(笑)。会社の経理に「会社にグラつきを起こさない程度でいくら現金を出せるの?」って聞いたんですよ。その数字が2000万円。これは出せるかなあって。

――再びプロレスを手がけてみようか、と。

髙田 自分一人で2000万を出すこともできたんです。「髙田はズルい」と思われるかもしれないけど、北関東の会長はプロレスでいい思いしてないし、水商売の段取りをしてくれたのも北関東の会長。プロレスに金を出しては損をしてるわけじゃないですか。夢ファクのときもそうだし、谷津嘉章のSPWFのときもそう。

――そこで関東の会長に長州・永島の新団体の話を繋げたんですね。

髙田 そうです。「長州力や佐々木健介も出る」と永島のオヤジは言うわけですよ。リキちゃんが動くなら健介が動くのもわかる。情勢的に新日本の選手が5〜6人動くのは間違いないんだろうなとは思った。北関東の会長にプロレスで夢を見させるのは、最良の策とは言わないけど、これしかないだろう!と。それに元くらいは取れるだろうと思ったんですよね。

――長州力というメジャーレスラーの安心感もありますよね。

髙田 立場が立場だから折半だと失礼になるかなって思って、私が500万で会長は1500万。「まず永島さんの話を聞いてみましょう」ということで京王プラザホテルで会うことになったんですけど。ホテルに着いて車から降りたときに、会長が「高田さん、(2000万円を)出そう!」って言い出して。永島のオヤジに会う前にですよ。

――さすが会長! いつなんどき気前がいいですね(笑)。

髙田 「いいんですか?」って聞き返しちゃいましたよ(笑)。海の物とも山の物ともつかないわけですから「簡単にOKしないで話を聞いてましょう」と言ったんですけど、会長はお金を出す気になっちゃいましたから。で、永島のオヤジがいろいろと今後の話をするんだけど、明確なものはなひとつないんですよ(笑)。

――それでよく納得しましたね。

髙田 そのときリキちゃんは新日本を出たあとからだから。

――ああ、新団体設立に現実味があったんですね。

髙田 その2000万円で何をするかといえば、リキナガシマ企画の法人登記。代表は永島のオヤジ、専務が私で、会長も筆頭株主だから何か役職があった。

――リキナガシマ企画の設立について長州さんは把握してたんですか?

髙田 してたんじゃないですか。リキちゃんがどれくらい真剣に聞いていたかはわからないですけど。

――長州さんはその会社には関係ないんですよね。

髙田 ないです。

――でも、名前はリキナガシマ企画なんですね。

髙田 結局リキナガシマ企画はWJでも何もやることはなかった。

――いったいどういう目的で設立されたんですか?

髙田 リキナガシマ企画という法人が、新団体、のちのWJという別法人のマネジメントをするということだったんですよ。グッズの販売をやろうとしたり、プロレス興行に関する純粋な利益をリキナガシマ企画に落としたかったんでしょうけど、とある事情でできなかった。その事情はあとで話しますけど、そもそも2000万程度のお金でプロレス団体は作れないじゃなですか。インディじゃないんですから。

――永島さんの提案に疑問に思わなかったんですか?

髙田 それはメジャー団体の重役さんのやることだから、そっちはそっちで段取りは付いてると思ってたんですよ。

――リキナガシマ企画と同時進行で新団体設立の話も動いている、と。

髙田 だって新団体の旗揚げ戦は「テレ朝で放送するぞっ!」って言ってたんですよ。

――テレ朝は新日本プロレスを絶賛放映中ですよ!(笑)。

髙田 WJを放送するわけないんですけど、「テレ朝も新日本から離れたがってる」と言うんですよ。あのとき視聴率がよくなくて打ち切りだなんだって話も出ていたんですよね。

――たしかにそんな話がありましたね。

髙田 会長としても夢を追いたい人だから、1500万を出すことになったんです。私はすぐに500万を入金したんだけど、北関東のほうは手続きでちょっと手間取ったのかな。けっこう大金じゃないですか。

――1500万ですからね。

髙田 そうしたら永島のオヤジからの催促の電話が凄いんですよ、何回も何回も。「まだ入ってないよ!」「金はどうなってるんだ!?」と、まるで私が永島のオヤジからお金を借りて払ってないみたいな口調になってきて(苦笑)。

――最悪ですね(笑)。

髙田 向こうが貸し手のような態度。最終的には「今日中に2000万円が入らないとダメになっちゃうんだよっ!」って。

――何がダメになるんですか、いったい(笑)。

髙田 そうなんですよ(笑)。会社を登記するだけの話だから、たしかに早いほうがいいですけど、何もダメにならないし、1日2日遅れても誰にも迷惑はかからない。最終的にお金が入ったら「龍さん、ありがとう〜!」という喜びの電話がかかってきたんですけど。不安は募りましたよね。

――高田さんもリキナガシマ企画の役員だから、その2000万の使いみちはご存知なんですよね?

髙田 資本金が1000万、新日本から移籍する6人にレスラーに100万づつ支度金にする。残りの400万は当座の資金。

――あれ? WJの支度金って500万じゃなかったんですか? 

髙田 それはWJが払った支度金ですね。リキナガシマ企画としても支度金を用意したんです。

――え〜っと嫌な予感がしますね(笑)。

髙田 WJ立ち上げ後、永島のオヤジに「WJに来なかった選手にリキナガシマ企画が払った支度金を返してもらいましょうよ」と言ったんです。田中みのるや中西学からね。

――あ、彼らが移籍すると永島さんは言ってたんですか。

髙田 あと「ライガーも来る」と言ってたなあ。

――怒りの獣神も!(笑)。

髙田 永島のオヤジは、そういった有名なレスラーの名前を出せば、こっちが喜ぶと勘違いしてたんでしょうね。そんなんじゃないのに(笑)。で、「永島さん、彼らにお金を渡したんですよね? WJに来ないじゃないですか?」って問いただしたら「……100万くらいじゃ動かねえよ」って。

―― 永島さんが言い出したのに!(笑)。

髙田 ホントに頭に来ましたね(笑)。それにそのまんまにしておくお金じゃないです。あとから田中みのるに聞きましたよ。「永島のオヤジから100万もらったんだろ?」「……え?なんの話ですか?」って困ってました。

――ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ! 

髙田 越中詩郎や佐々木健介は実際にWJに来たけど、この2人もリキナガシマ企画としてお金は渡してないことがわかったんですよ。

――ひどいなあ(笑)。

髙田 2000万円を振り込んだ銀行口座をあとで調べたんだけど、1日で2000万なくなってました。何に使ったのかは知らないですけど。

――あっという間に! そうすると新団体設立のお金も別で作らないといけないですね。

髙田 リキちゃんと永島のオヤジはいろいろと動いてたみたいですけど。何かのゴルフのコンペがあったときに、福田さんが永島のオヤジに「やるなら応援するよ」って声をかけたんですね。永島のオヤジはその気になっちゃったんだけど、リキちゃんは「福田さんのお金には手は出せない。ダメだ」と。そこはかなり強く言ってたみたいで。

――福田さんは北海道で不動産屋やパチンコグループなどを手掛ける実業家で、長州さんの新日本時代からの後援者だったんですよね。

髙田 リキちゃんと永島のオヤジが福田さんに金の頼みにいくとき、私も一緒に北海道に行くはずだったんですよ。車の渋滞で羽田空港に間に合わなかったんですけど。そういえば、あのときの飛行機代も私が肩代わりしたんだよなあ。

――どこまでお金がないんですか(笑)。WJは福田さんがいなかったら旗揚げできていなかったということですか?

髙田 私たちが出した2000万で見合ったかたちで旗揚げすることもできたと思いますよ。でも、使っちゃいましたから。

――最終的に禁断の果実に手を出してしまった、と。

髙田 いよいよほかに頼めるところがなくなって、しぶしぶという感じですよね。ある日、港区のホテルに呼び出されたんですよ。そうしたらそこにいたのがリキちゃん。夢ファク時代に面識はあるんですけど、実質初対面。その流れで東京に来ていた福田さんにも会って、どこかメシを食いに行こうと部屋を出て駐車場まで歩いたときに福田さんが「なんかさ、ワクワクしない?」って笑顔で聞いてきたんです。

――夢とロマンで張り詰めていたんですねぇ。

髙田 でも、こっちはプロレスでさんざん酷い目に遭ってきてるでしょ。「べつにしません……プロレスは凄く大変ですから」って返したら、福田さんビックリしてましたね。

――福田さんはやる気があったんですね。

髙田 そうでしょう、自分から声をかけたわけですから。だけど最終的に2億という金が動いたわけですから。簡単に出せるお金じゃないですよね。事業家が自分の財産を売り飛ばして用意するなんてことはしないです。自分の使える金融機関を通して用意したし、リキちゃんと永島のオヤジに貸し付けるというかたちですよね。

――それでWJ崩壊後に裁判沙汰になるわけですね……。

髙田 福田さんも事業家として、金だけ出して引っ込むわけにはいかない。「社長は自分がやる」と言い出したんです。

――単なるスポンサーではない、と。

髙田 リキちゃんは「どうぞどうぞ!」と。でも、永島のオヤジは計算外だったと思う。これでWJを自分の思うようにはできないでしょ。永島のオヤジは福田さんのことはスポンサーとして置きたかったけど、福田さんからすれば億の金を出すのであればそういうわけにはいかない。

――福田さんが社長をやるとなると、リキナガシマ企画にお金を落とせる流れを作りづらくなるわけですね。

髙田 そうなんです。リキナガシマ企画は必要ない。すべからくWJ内部でやるべきだし、「なんでリキナガシマ企画に利益を分配しなくちゃいけないの?」となる。極めて筋が通った話ですよね。そうなると永島のオヤジは何も言えなくなっちゃったんですよ。

――そうなると、キナガシマ企画の人間でもある高田さんの立場も危うくならないですか? 

髙田  そこなんですよねぇ。2000万の返済期限は新団体の旗揚げ戦という話になってたんです。永島のオヤジに言いましたよ。「これ、返すなんてできないんじゃないですか?」「大丈夫大丈夫。俺らがやんないと回らないから」。

――うーん、そういう話じゃないですけどね(笑)。

髙田 私はその時点で新団体に入るつもりはなかったんです。なぜかというと、なんの関係ないから。
ところが1500万は会長から引っ張ったわけですから、なんとか返してもらわないといけない。でも、永島のオヤジは軽く考えてますからね。このオヤジのそばから離れるわけにはいかないとなると、新団体に入るしか手はないですよね。そこでオヤジの誤算は、福田さんが「龍、おまえも新団体に入らないとダメだよ!」と言い出して、私が福田さんやリキちゃんと仲が良くなっちゃったことなんですよ。



◯屋形船の忘年会はバッシングされましたけど……


――こうして和感なく新団体に入り込めたんですね。高田さんに給料は出たんですか?

髙田 営業部長という立場ですけど、出ていないですよ。その頃、私はお金に困ってなかったこともあったし。福田さんは「月に経費で50万払うよ。その代わり給料なしな」って。その経費も1回だけしかもらってない。あとは全部自腹。

――永島さんは給料出てたんですよね。

髙田 出てましたよ。彼は支度金ももらってます。さっきも話にあったけど、移籍してきた選手ひとり当たり500万円出てたでしょ。もらった人間の中に永島勝司の名前もありましたから。彼に誠意があれば、そこから少しでも私たちに返しますよ。でも、一銭ももらっていないです(笑)。

――一銭も!

髙田 全部がダメになったあと、彼は私にお金を返し始めました。1回目50万、2回目25万、そのあと5万円づつ……。全部で100万ちょっとかな。だけど、2000万のお金を銀行から借りたら、100万なんて金利ですぐに消えますよ。永島のオヤジがそんな状態なので、会長には私のほうから返したんですよ。

――結局、北関東の会長は今回もプロレスでいい夢を見られなかったんですね……。

髙田 私も新団体に入ってなんとかリキナガシマ企画にお金が組み込めないかと福田さんに相談したんですけどね。団体の仕事にも関わるようになって。興行とはまったく関係ないこともやったりして。……◯◯に食われちゃった女の子が事務所に怒鳴りこんできた件も収めたり(笑)。

――◯◯さんなら凄くありそうな話!(笑)。

髙田 リキちゃんも対応してましたよ、その女の子と親御さん相手に。そのあと◯◯はリキちゃんにボコボコにされたんじゃないかな。


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金を出す価値があるお話です

No.1 61ヶ月前

高田さん、福田さん、長州の会談とかできないですかね。
永島のオヤジはいらないかな~。

No.2 56ヶ月前

WJ,SWS、UWFとどこの団体もわずか2年ちょっとで潰れますが必ず
お金が絡んでいますねえ。

No.3 39ヶ月前

それぞれの人を良いところと悪いところを書いてるから真実味がある。タヌキのwj言い訳本とは雲泥の差。

No.4 29ヶ月前
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