スター・ウォーズがやってた頃には「ハリウッドにはスター・ウォーズがある! でも東宝は『惑星大戦争』 を作って、東映は『宇宙からのメッセージ』!」っていう、「日本特撮の意地を見せよう!」みたいなのがあったんだ。
だけど、この『帝国の逆襲』 の「白い雪原の上に、白い飛行機」っていうのを見せられた瞬間に、日本の特撮陣は、いっさい抵抗しなくなったのが(笑)。
まぁ、それは仕方がないって思うんだけども、なかなか悲しいよね。
「さよならジュピター」(コメント)
あ、『さよならジュピター』 ね。
そこで、さよならジュピターっていうコメントも意地悪だね(笑)。
(中略)
スター・ウォーズでは“ワープ”って用語は使わないよな。
という事で、C3POが一生懸命に言おうとしていた「ハイパードライブ装置が壊れてますよ」というのが伝わって、ハン・ソロが修理にかかって。
この辺は、くすぐりが上手い。
チューバッカが、こんなギリギリの場所に工具箱を置かなければ、落ちてくる悲劇が起こらなくて済んだ。
そして工具箱が落ちてくると、「ウワーッ」っていう悲鳴だけが聞こえて、ハリソンフォードが上にあがって来たら、何か変なことが起きているって分かる。
ここらへんの一連は、本当にシナリオの勝利。
どれだけ密度が高くて、面白くて、前後のシーンと関係があって、シーンの連続でアクションを作れるのかっていう技になってくる。
けども『帝国の逆襲』は、むちゃくちゃ上手いんだよな。
俺が、「スター・ウォーズは帝国の逆襲が一番いい」って言うと、「昔、初めて見たからじゃないか?」とか「単なる懐古趣味」って言う人も、いっぱい いるんだけどさ。
このシナリオの構成の見事さっていうのは、後のスター・ウォーズには、あんまり無いんだよね。
見せ場を繋いで、繋いでってやつで。
ここら辺からジョン・ウィリアムズ節が炸裂で、いい感じの音楽で追いかけあったりしてるから。
たぶん、スター・ウォーズの一作目で、コレを見せたかったはずなんだよね。
小惑星があって、それを縫うように宇宙船が逃げてっていうの。
もうこれって典型的に、アメリカ人がカーアクションで考えそうなアクションなんだよね。
それを、やっと出来るようになったと。
相変わらず後ろで文句ばっかり言っているレイア姫。
この辺を見ていると、なんでルーク・スカイウォーカーとハン・ソロがこの女の取り合いをしてるのか、よく分からないんだけど。
いわゆるこれは“オタサーの姫”状態ってヤツなんだろうな(笑)。