不動産投資には、当然、不動産が必要です。相続などにより最初から不動産を所有している場合を除き、初期投資として不動産を手に入れなければいけません。

不動産は高額であるため、ローンを組むことも多いでしょう。場合によっては、自己資金ゼロでもローンが通ることもあります。フルローンの場合のマンション経営の注意点などを紹介します。

自己資金が少なくてもマンション経営は可能?

自己資金が少ない場合、フルローンで住宅ローンを組み、不動産を購入してマンション経営をするという方法があります。しかし、ローンには金利がかかります。長期的に借りることになるため、十分な検討が必要です。

自宅を購入する場合について考えてみてみましょう。基本的には頭金を用意してから購入する人が多いでしょう。頭金を用意しておかなければローンで借りる金額が高くなってしまうため、審査が下りず借りることができない場合があります。たとえ借りたとしても、返済が難しい傾向があることが理由になっています。

マンション経営は、賃料などの収入を得なければいけません。自分の住む家と投資不動産の2つの経費がかかることを理解する必要があります。

フルローンが通った後の工夫は?

フルローンの場合、自宅の購入でも破綻のリスクがあるといわれています。そのため、きちんと不動産投資のリターンの分析をしたうえで行う必要があります。

たとえば、都内ワンルームマンションを1,500万円で購入する場合、住宅ローンで固定3年、年0.700%の金利で借り、10年で返済しようとすると毎月約13万円の返済が必要になります。

しかし、これはずっと入居者がいた場合に限ります。また、経年劣化することにより修繕が必要になる場合もありますし、時にはリフォームをしないと借り手がつかなくなる可能性もあります。このような経費も当然必要になることを考慮しなければいけません。

自分のライフプランと重ね合わせ、フルローンでのマンション経営が実現可能かどうかを検討する必要があります。この場合、借り手がいなかったときに月々約13万円の返済ができる余裕があるかどうかを考えなければいけません。企業に勤めている場合は解雇などのリスク、自営業の場合は倒産のリスクも考慮する必要もあります。

不動産投資をする場合には借り手がつかない状態を避ける、いわゆる空室リスクが少ない物件を選ぶことが重要となります。「魅力的な不動産を手に入れられるかどうか」が不動産投資成功のカギとなります。

できるだけ繰り上げ返済も

投資をしたワンルームマンションの人気が上がれば、家賃を値上げして貸し出すことも可能になります。そうなると、経費分を確保したうえでリターンが大きくなります。リターンが出た場合はできる限りローン返済にまわしたほうがいいでしょう。金利が低い状態だったとしても、借りている金額が高ければ金利だけでかなり高額になります。利益分を貯金して得る利益よりも、ローンの金利分の金額の方がはるかに高いため、繰り上げ返済も検討するとよいでしょう。

また、災害や破損による修繕費など緊急的な出費が必要になることもあります。このような経費についても想定したうえで、どれくらいのリターンが望めるかを考えた不動産投資を始めましょう。

フルローンで不動産投資は可能

自己資金が0円のいわゆるフルローンで不動産投資を開始することは可能ですが、リスクが高い投資となることに留意しなければいけません。もちろん、フルローンで不動産投資を開始して利益を得ている人も多くいます。投資を行う際は、リスクをできる限り回避できるようしっかり準備していきましょう。