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その日も、朝から静かな一日だった。
午後の陽光が小さな窓を抜け、傷んだ木床を容赦なく炙る、静寂に包まれた兵舎。 歩を進めるたびガチャガチャと鎧が擦れ、頼りなさげに廊下が軋むその先に、古ぼけながらも見慣れたドアが私を迎えてくれた。いつものように手甲に魔力を籠め、丸いドアノブをゆっくりと捻る。なんの抵抗もないままに限界まで回るそれは、留守中、この部屋に侵入を試みた不届き者が存在しないことを告げていた。
その身を室内へと預け入れると同時に、肺に溜まった陰鬱とした空気をふぅっと吐きだし、ドアを閉める音でそれをかき消す。さきほどまでの鉄と汗にまみれた臭気は薄れ、薬草の類を乾燥させた香気が漂うこの部屋は、グリフォンが軽く寝がえりをうてる程度には広い。窓から入り込んだ陽射しの向こうには寝室へと続く扉が見え、その手前を、よく磨きあげられた木製の執務机が遮っている。
古書や魔法書が押し込められた書棚、薬液瓶が乱雑に並ぶ作業台などを横目に、それまで左手を占有していた書状の束を机上に叩きつけると、幾度目となるか分からない溜息がまたこぼれた。
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最終更新日:2024-11-06 20:51
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コメント
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不落さんの日常(任務)だぁー!
タイトル通りの静けさとは無縁になりそうな雰囲気に、次の投稿が待ち望まれますね。
静かじゃなくなっちゃった
続き楽しみに待っております
文章だけで容姿とか状態とか表現するの難しいのにスッと頭に入ってきて面白かったです(*´▽`*)
何度でも読み返せる!って素敵
個人的に不落さんがお疲れで心配になってしまったわ
帝国聖騎士団がブラックなのか・・・不落さんが差別的な扱いをされているせいなのか・・・たぶん後者なんだろうなって思うと胸が痛みます
だって不落さん素敵だからw
続きが気になるけど、体調やご都合に合わせて執筆頑張ってくださいませ(o*。_。)oペコッ
くれぐれもご自愛を~
不落さん視点なのですね
成程、ジーコの小説はこういう感じか
いいですね、好きな感じの文章だ
続きに期待(`・ω・´)
自分で納得出来るものが文に成ったらの投下で全然いいですよ
これからも応援してます!
小説初投稿お疲れ様です!
不落さんの一人称視点! 人前ではあまり見せなそうな「心の表情」が豊かで、ギャップを感じて良きでした。次話も楽しみにしています!