¡Hala Madrid!
¡Hala Madrid!
¡Hala Madrid!

「レアル・マドリード」
「UEFAチャンピオンズリーグ」優勝を祝うのは
これぐらいにして!

私は東京という所が嫌いだ!
できれば長い時間そこにいたくないほど苦手だ!
そんな嫌いな東京の中でも
更にピンポイントに嫌いな場所がある!
それはJR東京駅の中央線ホームに登るエスカレーターだ!
ほんの少しの思いつきで
閉鎖しろだの改装しろだのと
あれほど怒鳴る東京都民が
どうしてあのエスカレーターに
一言も文句を言わないのだろう!

まずはこのよくわからない生き物が乗っている
エスカレーター「図1」をご覧いただきたい!
よくわからない生き物の向こうにある線は
壁の模様もしくは壁板の接合線だ!
これでいい!
重力と同方向の縦線であれば
乗っているへんな生き物には安心感が生まれる!

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ところが!
それでは次のエスカレーターをご覧いただきたい!

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この場合はあろう事か壁面に
エスカレーターの傾斜に対する
垂直線と平行線が引かれている!
こうする事によって乗っている生き物は
壁を見ているうちに
重力方向を誤認してしまい
本能的にそれに合わせて立とうとするせいで
のけぞった体制になってしまう!
これが連鎖すれば
乗っている全員が”ホンダホンダ状態”になり
大事故が発生する可能性が高い!
その現場証拠写真を
実にうまいタイミングで撮影する事に成功した!
これは実際の東京駅中央線エスカレーターで
図2から図1に変わる切れ目となる部分だ!

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どうせよその土地の
しかも嫌いな東京の話だ!
どうやらこのエスカレーターに対しては
誰かが問題視している様子もない!
ならばここは
「あっしには関わりのねぇ事でござんす」
と言い残して立ち去るべきなのだろうか?

そんな昭和の名台詞を残したさすらいのヤクザ者
「木枯し紋次郎」の生まれ故郷
上州新田郡三日月村が再現されたテーマパーク
「三日月村」が
「ジャパンスネークセンター」のすぐ上にあった!

テレビ時代劇が絶滅危惧種として
レッドデータブックに掲載される昨今だが
私が子供の頃には
時代劇は子供からの人気も高かった!
おじいちゃんやおばあちゃんの横に座り
楽しく見入ったものだ!
さらに私の場合
ある時期にはどっぷりと時代劇にはまり
放送される全ての時代劇を網羅していた事もある!
とは言っても当時の山形は
民放が2局しかなかったのでたいした労力でもなかった!
(中でもお気に入りは『江戸の牙』
 テーマ曲のシングル盤まで購入し
 毎日聴いていた!)

かの『木枯し紋次郎』は
夕方の再放送で見ていたと記憶する!
『木枯し紋次郎』を見終えると
子供であればやらずにはおれない事がある!
「楊枝ぷっ」だ!
紋次郎がなんらかの「タグ・ライン」
つまりは決め台詞を決めた後で
楊枝をぷっと吹くと
それが木やら地面やらに突き刺さり
ちょいと揺れる!
吹き矢のように筒から吹き出さない限り
そんな事はありえないのだが
子供であればどうしてもやってみたくなる!
当然刺さる事はなく
大量の爪楊枝を浪費してママからものすごく叱られる!
そもそも紋次郎がくわえていた物は
家庭用の爪楊枝などではなく
なにか20cmぐらいの細い棒だ!
なるほど!
あれでなければ刺さらないのか!
しかしどこを探してもあんな物は未だ見つからず
焼き鳥屋さんで今でも再挑戦の衝動と格闘している私だ!

「とうとう来てしまった群馬県はとんでもなく田舎です!」
との文を添えて
以下の写真を友人に送信したところ
「想像以上の風景に驚いています!」
との返事が届いた!
しかし実際はこれが「三日月村」の景色だ!
広い敷地内に映画セットのごとく
こうした建物がいくつも建てられている!

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入場の際には
御陽気なお姉さまから
こんなセット券を薦められた!
なんだかわからないので購入した!

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紋次郎の生まれ故郷を少し歩くと
小さな小屋があり
その中にはお年を召したお姉さまが展示されていた!
いや!
どうやら展示品ではなく案内人だった!
まずは「怪異現洞」から訪ねてはどうかと言われた!
なんだかわからないのでそうする事にした!
なかなか長い距離の人工洞窟がそれだった!
”怪異”というからには何か”怪異”があるはずだ!
案の定進んですぐに行き止まりになった!
怪異だ!
みんなでわぁわぁ揉めていると
誰かがドアの開閉スイッチを無意識に踏んでしまったようだ!
壁が開く!
床が開く!
ノーヒントで色々とドアを開け進んでいく
インディ・ジョーンズ的なアトラクションだと
しばらくしてから気づいた!
ややっ?
さっそくだがなんだか楽しいぞ三日月村!

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やっとの事で怪異現洞を抜け出し
生還を祝ったのだが
何よりも驚いたのは
案内人のばあさまが変わっていた事だった!
明らかに入る時とは違うばあさまになっていた!
ここまでエンターテインが徹底されているのか三日月村!
もしくはシフトという名のやむを得ぬ事情か!

「次はあたしが絡繰屋敷を案内するよ!」

御陽気ばあさま2号に誘われ
いつの間にか15人ほどまで増殖した
伊勢崎大王ファーマーズ達が屋敷に潜入した!
これまた愉快なアトラクションだった!
実用されていた日本古来の隠し部屋や隠し扉の技術を駆使した
全部で8つの部屋を全て抜けなければならないのだが
これがなかなか難しい!
ばあさまはそこにいるのにたいしたヒントもくれない!
一つ開くたびにみんなで歓声をあげた!
これまた愉快な遊びだった!

さぁ!
となれば次はセット券最後のアトラクション
「不可思議土蔵」だ!

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と喜び勇んで飛び込んだのが運のつき!
これだ!
これだよ!
私はこれをするなと言っていたのだ!
こういう風に山の傾斜に垂直に家を建てては
いかんと言っているのだ!

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改めて説明すれば
東京駅中央線エスカレーターは
これをやってしまっている!
あのエスカレーターは
階段よりもむしろ「不可思議土蔵」に近い物だ!

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これと同じ構造の
傾斜に対する垂直線が施されている施設に
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの
ローラーコースター
ハリウッド・ドリーム・ザ・ライドがある!
コースターが出発してまず急傾斜を登るトンネルが
傾斜垂直線構造だ!
もちろんそれは意図された設計で
重力誤認を誘発してスリルを煽るためのシステムだ!
それを!
どうして中央線に乗るためのエスカレーターでやる!

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不可思議土蔵を出た我々は
よろよろになった!
平地に立っても身体が傾いていた!
弱い者は軽く吐き気を催していた!
なんたるアトラクションか!
これが群馬県人の遊びなのか!

こうなってはしばし休憩が必要だ!
茶店があったので立ち寄る事にした!
せっかくなので「焼きまんじゅう」を注文してみた!
群馬人がことのほか大好きな和菓子で
友人との集いに
かるたの練習に
戦いの後になど
事あるごとにそれを食べると言う!
もちろんこれまでの”群馬弱点研究”の中で
私は焼きまんじゅうを学んではいたのだが
実際に食した事がなかった!
甘い物が大の苦手で
今ではチョコレートの味すらも
記憶から完全に消えかけようとしている私だが
ここは我慢してでも焼きまんじゅうをいただいてみよう!
現地人がごちそうと思う物を
まずは美味しそうに食べる事が
ジャングルでのコミュニケーションで最も大切な事
と兼高かおるが言っていたような気がする!
では!
いただきます!

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だが!
しかし!
直後にこんな顔になった!

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これは世に言う「まんじゅう」ではない!
安土桃山時代にポルトガル人宣教師が持ち込んだ舶来食
「パン」だ!
私は一同にそれを強く主張した!
しかし猛反撃をくらった!
「パンなんかじゃありません!
 焼きまんじゅうです!」
私の記憶の中の”まんじゅう”はチョコレートよりも薄い!
しかし味は忘れても
どんな食感のどんな物だったかは記憶に残っている!
焼きまんじゅうは
私の中のまんじゅうとは全く合致しない!
やっぱりパンだ!
これはパンだ!
パンに何か甘いのを塗った物だ!
いつか丸いパンに同じ甘いのを塗った食べ物を
群馬人に食べさせてみたい!
きっと焼きまんじゅうだと言うに違いない!
だが残念ながらそれはパンだ!
パンだ!

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さて!
さんざんひろいだ群馬をいよいよ去る時が来た!
実のところ名残惜しかった!
あの『群馬水産高等学校校歌』を歌ってくれた
伊勢崎大王ファームのメンバー達との別れも寂しかった!
ものすごく世話を焼いてくれて遊んでくれた
「ちあき」と離れるのも寂しかった!
しかしそれよりも!
もっともっと深く群馬を馬鹿にする弱点を見つけたかった!
もう少しいられたら
気を許した群馬人達は
私にもっと弱点を見せるかもしれない!
そんな悔しさが私の心を巡った!

そんな帰りの車中で
セカンドカーの運転手をしてくれた伊勢崎大王ファーマー
通称「おっさん(女性)」が
すごい物を私に手渡した!
それは世にいう香典袋だった!

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しかしどうにも見慣れない文言が印刷されている!

「新生活運動の趣旨に添ってお返しを辞退致します。」

調べてみたところこれは
1955年に当時の首相である
鳩山”ハトマンダー”一郎が提唱した
「新生活運動」なるアイディアで
当時は日本全国に広まりながらも
現在では群馬県だけに残っているという
なんとも奇妙な習慣なのだそうだ!
鳩山ハトマンダーは
生活の節制を説き
冠婚葬祭といった古いしきたりにおける出費は
ただひたすらに生活を苦しめるものだと考えた!
そこで縁遠い葬儀に参列した場合には
「新生活」と書かれた香典袋で
少額の香典を渡す事を推奨したのだそうだ!
群馬県では今でもお葬式の受付に
「新生活」と貼り出したブースがあると言う!
「自販機食堂」でぬるい食パンを食べた「阿久津勝哉」は
大阪在住時代に葬儀に参列した際
数千円を入れたこの封筒を持参し
受付で
「新生活です。」
と言ったために不審者扱いされた事があるそうだ!
(それが勝哉という男だ!)
「新生活です」と言われたら
万年筆でも贈らなければいけないと思うのが
今の日本のあり方である!

「ちょうだい!
 この封筒ちょうだい!」

私はおっさんに頼んで
この貴重な新生活袋をお土産に
群馬を後にしたのであった!

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高崎駅から東京駅までの電車は
東京から来た二人
「みお」と「さとちゃん」と一緒に乗った!
さとちゃんが私に言った!

「ねぇ大王!『ひろぐ』書いて下さい!」

これまで多くの友人知人から
それを言われた!
それでも実父「ごんぼちゃん」の死を
どのように伝えればいいのか思いつかず
一年以上『ひろぐ』を書けないでいた!
なのにさとちゃんにそう言われた時
私はどういうわけか即答できた!

「そうだね!
 わかった!
 書くよ!」

一年以上放置してしまったため
『FILL-IN~娘のバンドに親が出る』の事も
『源八橋西詰』の事も
『財団法人親父倶楽部』の事も
『ひろぐ』ではなにも伝えずに今になってしまった!
たくさん楽しい事や心が動いた事があったのに
それは自分だけのものにしてしまった!
けども!
”後藤ひろひとが群馬に行った”という話は
なぜか多くの人に知らせたいと思った!
なにか自分の中で
大きな節目になったような気がしたからだ!
なのでこれを期に
ごんぼちゃんの死とも向かい合って
楽しく乗り越えようと思った!
だから
『ひろぐ』を再開してみた!

これからも私のくだらない冒険や
どうでもいい発見に
付き合っていただければ幸いである!

夜中に近い時間に大阪の自宅に到着した!
思えば今回の旅は山形でスタートし
生まれて初めての群馬を体験した
私なりの大冒険であった!
なんだかいっぱいひろいだので
いっぱい疲れた!
数日のんびり休ませてもらおうか!
と思った矢先の事!
キャンプの集合時間というのを告げるLINEが送られて来た!
ん?
なんだった?
そんな予定があったか?
・・・あった!

私はそのキャンプで
数回意識を失いかけた!
まさに命がけの
地獄のキャンプとなってしまったのだ!

次は滋賀県だ!!

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