ハックルベリーに会いに行く
世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その15(2,099字)
ここで、マンガの歴史――特にその進化の方向性についてひもといてみたい。なぜなら、それは日本の美的感覚に基づいており、同時にそれを育むことにもつながっているからだ。端的にいって、マンガは「日本の美的感覚」の象徴ともいえるのである。
では、マンガはどのように進化してきたのか?
それは、時代が進むに連れて、その表現がどんどんリッチになっていった――ということができる。描き込みが増えていった。最初は簡素な表現だったのが、やがて複雑で手の込んだ絵になっていった。
それは、最初期のマンガはあまりにも制作時間が足りなかったため、簡素な絵しか描けなかったからだ。あるいは、技法も発達していなかったので、それ以外描けないということもあった。
そして、多くのマンガ家はそれを不満に思っていた。彼らはいつでも、「もっとリッチな絵を描きたい」「もっと描き込みをしたい」という欲求に駆られていた。
それは、絵描きとしての
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