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さらに、大友克洋が描くこのキャラクターには、もう一つの秘密がある。
それは、「前後の動きを想像させる」ということだ。大友克洋は、前後の動きを想像させる絵の描き方――キャラクターのポーズの付け方――が抜群に上手いのである。
例えば、この表紙ではキャラクターである女の子の右足が浮いている。
一瞬の動きを写真風にとらえたからこそこのようなポーズとなっているのだが、おかげである感情を読者に催させる効果を生み出している。
一瞬の動きを写真風にとらえたからこそこのようなポーズとなっているのだが、おかげである感情を読者に催させる効果を生み出している。
それは、なんとも落ち着かない気持ちにさせるということだ。心をざわめかせるのである。
なぜかといえば、人はこのようなポーズのままで静止できないため、読者はそこにある種の違和感を直感的に受け取る。そして、その違和感を埋め合わせるように、自然とその前後の動きを想像するようになるのである。
すなわち、直前の右足が浮き上がった動きや、直後の右足が着地する動き、さらには、その後の左足が浮き上がっ
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