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夜、施設の西端にある住居棟の、居室のベッドに横たわりながら、エミ子はいろいろなことを考えていた。
エミ子の居室は、ベッドこそ二段ベッドが左右に二つの合計四床あったものの、同居者はいなかったので、エミ子は一人で寝ていた。
部屋の左側にある二段ベッドの下段の一つに寝転がりながら、エミ子はあえてカーテンを開けたままにして、窓の外をぼんやりと眺めていた。
隠岐の島は、湿度こそ高いものの、米子とは違って自然が豊かなので、温度はぐっと低かった。真夏であるにもかかわらず、窓を開けていれば夜は冷房が要らないほどだ。
網戸の外からは、賑やかな虫の音が聞こえてきていた。窓は西側に向かって開いていて、すぐが下り斜面になっているので、そのまま海まで見通すこともできる。
今日、エミ子は初めて自分やぼく以外のヲキやトモと出会った。正確には、朋美や耀蔵には会ったことはあるものの、彼らは自分たちがヲキや
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