ハックルベリーに会いに行く
世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その34(2,116字)
日本の戦後におけるコンテンツビジネスは、マンガとアニメに共通の特徴がある。
それは、ともに「団塊の世代」を最大の顧客としていることだ。そして作品の傾向も、団塊の世代の成長に合わせ、どんどんと大人向けに変化していった。
例えばマンガは、初めは少年少女向けだった。その通り、「少年」や「少女」と名前のつく雑誌がたくさんあった。
しかし六〇年代の半ばになって、『週刊マンガアクション』を皮切りに、続々と青年誌が現れ始めた。さらに一九七〇年代には、完全に成人向けのマンガ雑誌も作られるようになった。
あるいはマンガは、その連載の中で子供向けから大人向けへと変貌を遂げたものもあった。そうした作品の代表格は、やはり『巨人の星』と『あしたのジョー』だろう。
『巨人の星』は、スタート時は子供だった主人公が、終了時には大人になっている。これは、団塊の世代の成長に歩調を合わせている。
『あしたのジョー』も、同様に主
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