『宇宙戦艦ヤマト』の大ヒットを受け、日本のアニメ業界は少なくない変化を強いられる。それは、ファンの影響力をより強く意識した作り方になった――ということだ。

もちろんそれまでも、ファンはそれなりの影響力を持っていた。ただ、アニメ制作者にとって一番の指標はテレビの視聴率であり、次いでキャラクターがおまけにつけられたお菓子の売上げであった。つまり、ファンからの影響よりも、テレビ局やスポンサーの影響の方がより強かった。

しかしこの頃から、ライセンスを与えただけの「キャラクターグッズ」の売上げが無視できない大きさになってくる。特に『宇宙戦艦ヤマト』はキャラクターグッズがよく売れたため、この頃からキャラクター商品の売上げを見込んだ作り方をするようになっていったのだ。

もちろん、それ以前にもキャラクター商品はあった。その一番大きなものはプラモデルで、特に乗り物やロボットのプラモデルは男の子に大人気だった