『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(以下『MS』)という映画を見た。Netflixに入っていたのを見たのだが、これは多くの人が見ておいた方がいいと思った。

『MS』は、リーマン・ショックを題材にした映画だ。リーマン・ショック(2008年)を事前(2007年頃)に予測していた人たちの話である。彼らは、その予測をもとに大量の「空売り」をした。「空売り」のことを、英語で「short sale」という。原題は、『The Big Short』だ。だから、「巨大な空売り」という意味である。

いつも思うのだが、邦題の付け方にはひどいものが多い。この『マネー・ショート 華麗なる大逆転』もひどいものだ。
どうひどいかというと、テーマと逆行しているのである。これは、「華麗」な話でも「大逆転」の話でもない。

リーマン・ショックを予測していた人たちは、調査の過程でアメリカの「ひどさ」に気づいていく。誰もがいい加