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「やった!」
 と、ぼくは思わず叫んだ。
 光線が体を貫くと、台獣は風船のように丸くなって膨らんだが、次の瞬間には一気に収縮して弾け飛んだ。直後、白い煙のようなものが立ち上がり、台獣のいた辺りを覆い尽くした。
 それは、煙というよりは雲に見えた。前に早回しの映像で見たことのある、猛烈な勢いでもくもくと湧き上がる夏の入道雲ようだった。
 ぼくらは、しばらく固唾を飲んでその雲を見守った。しかしやがて、西の方からそよそよとした風が吹き始めると、その雲は次第に押し流されていった。
 すると、それを見たエミ子がまず「あっ!」と声を上げた。
 次いで、ぼくもその姿を確認した。その霧散しつつある雲の中に、何やら黒い影が確認できたのだ。
「生きてる?」
 ぼくは、破裂したように見えた台獣が、再び形を為して立ち上がったのかと最初は思った。ところが、雲があらかた払われて、その異様が次第に露わになってくる