ハックルベリーに会いに行く
台獣物語52(2,558字)
52
シビライザーは、さらにもう一つの花弁に手をかけ、これも力任せに引き抜いた。台獣は再び咆哮し、それは木霊となって大山の麓一帯に響いた。
シビライザーは、さらにもう一つの花弁に手をかけようとした。ところが、そのときだった。台獣が突然、のけぞるようにして後ろ足で立ち上がった。それから、前足でぴょんぴょんと飛び跳ねながら、シビライザーを激しく揺さぶった。
そのため、シビライザーは暴れ馬に乗っているような格好となった。台獣の花弁を手綱にして必死にしがみつき、振り落とされないようにするのが精一杯だった。
そして、次の瞬間だった。台獣の背中の花の中から、出し抜けに歯茎のような触手が伸びてくると、シビライザーの足をとらえた。触手は、そのままシビライザーの足を花弁の中に引き込もうとした。
「あっ!」
この攻撃は予測していなかったのか、シビライザーは両足ごと絡め取られると、そのまま一気に花弁の
この記事の続きを読む
ポイントで購入して読む
※ご購入後のキャンセルはできません。 支払い時期と提供時期はこちら
- ログインしてください
購入に関するご注意
- ニコニコの動作環境を満たした端末でご視聴ください。
- ニコニコチャンネル利用規約に同意の上ご購入ください。