ハックルベリーに会いに行く
奥ゆかしいメッセージは届かない(1,983字)
9月に『空からのぞいた桃太郎』という絵本を岩崎書店から発売する。影山徹さんが作者でぼくが編集した。絵本で32ページあり、値段は1500円+税の予定である。
この絵本は、もともとはジブリ発行のフリーペーパーである『熱風』に載っていた高畑勲さんの講演録から着想を得た。高畑さんは岡山県に暮らしていたこともあり、そのゆかりで「桃太郎」のアニメを作ってくださいといわれることも再三なのだが、それらは全て断っているという。なぜかというと桃太郎が嫌いだからだ。嫌いな理由は、桃太郎が侵略戦争をしているからである。自分の領地が襲われたわけでも、親類が傷つけられたり金品を奪われたりしたわけでもないのに、鬼の領地に乗り込んでいって彼らを攻撃したばかりか、金品までせしめて帰ってくるからである。
「桃太郎」を批判しているのは高畑さんだけではなく、過去には福沢諭吉、芥川龍之介らも批判している。現代でも文学者の池澤夏樹さ
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