世の中というのは、どんどん変化が激しくなっている。情報の伝わるスピードが、どんどん速くなっているからだ。

おかげで、「未来がどうなるか?」ということの予測は、どんどんと難しくなっている。変化が速いと、その分不確定要素の入り込む余地が大きいため、変化の度合いもまた大きくなるからだ。

変化のスピードが速いということは、昔は10年くらいかけて起こった変化が、今は1年で起こってしまうということだ。昔は100年かけて起こった変化が、ほんの10年で起きてしまう。

そうなると、今、10年後の変化を予測することには、昔、100年後を予測したくらいの難しさになっている。19世紀末に、「2000年にはどのような世の中になっているか?」を予測することが流行したが、大半はSF的な荒唐無稽な予測で、もちろん当たっているものもあるものの、大半は大きく外れた。

なにしろ、19世紀末にはまだ電話がなかった。せいぜい手紙が