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かりそめのアイデンティティにすがる時代が1万年ぶりに終わった(1,698字)
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かりそめのアイデンティティにすがる時代が1万年ぶりに終わった(1,698字)

2019-03-25 06:00
    今、日本の社会は非常に混沌としている。いろんな状況が絡み合って進行している。とりわけ、4つの大きな状況がある。

    第1は、少子化と人口減少だ。これが経済を大きく圧迫している。
    これに対応するのは難しいだろう。これから団塊の世代が完全に死ぬまでの30年くらいが、日本経済はとてつもなく厳しくなる。つまり、貧乏になる。それを過ぎたら再び楽になるかもしれないが、しかし少なくとも向こう30年は、国そのものが貧乏という状況がまずある。

    第2は、IT化やロボット化、AI化がますます進行していく。労働の効率化が加速していく。そうして、日本の経済状況とは逆に、世の中はますます豊かに、ますます暮らしやすくなる。それが、世の中を少なからず混沌とさせる。

    第3は、仕事が減る。「仕事」というのは、稲作が始まってから1万年もの間、社会の重要なインフラであり続けた。しかし今、それが終わろうとしている。社会は、すぐにベーシックインカムに移行せざるを得ない。
    そこで、人々のアイデンティティがどう保たれるのか? まだ誰も答えを出せていない。そのため、大きな混乱は避けられないだろう。

    第4は、グローバル化だ。今、日本を含め世界中で、「国家」という枠組みが価値や効力を失いつつある。まず企業、そしてお金がグローバル化し、国家の枠組みをすでに超越している。例えばGAFAは、あらゆる国で信じられないほど豊かなサーヴィスを提供しているが、同時にあらゆる国にほとんど税金を払っていない。そういう状況がますます加速する。
    すると、これから「どこの国の人間か」ということが無意味になる。そのアイデンティティが失われる。


    以上の4つの状況に対して、抵抗するのではなく順応した方が生きやすいのは言うまでもない。生きやすいというか、抵抗すると死んでしまう。

    第1に、日本経済が苦しくなるので、日本経済に依拠した生き方をしていると、すぐに死んでしまう。生き残るには、儲け口を日本以外に求めるしかない。あるいは、貧乏であることを割り切って生きるしかない。

    第2に、ITやロボット、AIは、仕事を取られる敵としてではなく、味方として積極的に活用していかないと、すぐに死んでしまう。つい先日も、いまだにスマホが苦手なお年寄りがいるという話を聞いたが、もうそういう人が幸せに生きていける場所はなくなった。スマホだけではなく、ITやロボット、AIは、好き嫌いにかかわらず、積極的に活用していく以外に気持ち良く生きる術はない。

    第3に、仕事がない世の中で、仕事に依拠しない生き方を見つけないと、すぐに死んでしまう。具体的にいうと、趣味を楽しんだり、友だちとの交流を図ったりする。そうしないと、ほとんどの人はもう、仕事には居場所を見つけらない。だから割り切って、それ以外の生きがいを見つけていく必要があるだろう。

    第4には、日本人というアイデンティティは早々に捨て去らないと、死んでしまう。今、政治や思想や人種といった枠組み乗り越えて、経済が圧倒的な影響力を持つようになった。経済が、社会を否応なくグローバル化している。その中で、「日本人」という枠組みも価値を失いつつある。

    その象徴が、大坂なおみ選手だろう。彼女はもはや何人なのか、誰もカテゴライズできない。また、しない方がいい。カテゴライズしないまま、彼女のような国籍の在り方をむしろ指向していく。そういう時代に突入したのだ。そういう状況に抵抗しても、社会と折り合いがつかず生きるのが苦しくなるだけだ。


    以上のように、古いポジションを捨て新しいポジションに移行するのは、はっきりいって難しい。けっして簡単ではない。
    しかし新しいポジションは、より本質的な生き方ともいえる。そもそも、「日本」や「仕事」というアイデンティティは、たかだか1万年の歴史しかない。その意味で、かりそめだったのだ。そのかりそめが1万年ぶりに取り払われ、今、より本質的な社会が到来しつつあるのだ。

    その中で、我々もより本質的に生きていくしかなくない。かりそめのアイデンティティにすがる時代は、もう終わった。そう考えると、変革の困難に立ち向かうのも、少しは楽しくなるのではないだろうか。
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