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独走せんとするぼくの前にラグビー部レギュラーのUが立ちはだかった。
Uは元々ちょっと空気の読めていないところがある上に、この試合は先述したようにB組が雪辱を晴らさんともしていたので、異様に気合いが入っていた。そのため、たとえ相手がラグビー部員ではない一般の生徒であっても、まるで部の試合のように本気でタックルしてきた。いやむしろ、部の試合より気合いが入っていたかもしれない。彼は死ぬ気でタックルしてきたのだ。いや、殺す気でタックルしてきたといった方が正しいだろうか。いうならば殺人タックルだ。殺人タックルをぼくに仕掛けてきたのだった。
しかし、そここそが狙い目だった。そこにこそ、ぼくの秘策というものがあった。
Uが殺人タックルを仕掛けることは、ぼくには分かっていた。あらゆる状況から、Uがぼくに殺人タックルを仕掛けることは火を見るよりも明らかだった。
ところで、殺人タックルとは何か?
それは一撃必
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