ところが、30分が経過した頃から次第に雲行きが怪しくなっていき、1時間も経つと、とうとうぽつぽつと降ってきたのである。
それで、ぼくは「仕方ない」とさすがに諦めて、そのまま下山することを決めたのだった。
下山を決めると、念のために買ってあったレインコートを着込んで、体を濡らさないよう気をつけて、山頂を出発した。ところが、最初の曲がり道のところで、うっかり方向を間違えてしまい、草が生い茂った藪の中へと突っ込んでいってしまった。
いくらか進んでから、どうにも藪の茂り方がおかしいと気がついて、慌てて引き返したのだが、それが大変だった。わずか5メ