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小休止をしていくらか体力を回復すると、ぼくは心臓破りのその崖を、再び登り始めた。
モッチョム岳の登山は、道なき道を進むような感じなので、あまりはっきりとした目印がない。だから、自分が今どこら辺にいるのかというのは、あまり分からない。
唯一、大きな目印となっているのが「万代杉」と呼ばれている大きな杉で、これはちょうど、山頂までの中間地点のところにある。だから、とりあえずはこの万代杉到着が目標となるのだ。
しかしながら、行けども行けどもなかなか万代杉は見えてこなかった。仕方なく、ぼくは時計ばかり気にしていた。頂上まではだいたい3時間の行程のはずだから、万代杉にはだいたい1時間半後の9時半くらいに着く計算だ。
それは分かっていたのだが、ぼくは登っている途中から、「もう着いてもいいのではないか、もうそろそろではないか」という思いにとらわれるようになっていた。もしかしたら、自分が思うより快調に登れていて、予定より早く万代杉が見えてくる……そんなことはないだろうか?――という希望的観測にとらわれていたのである。
しかし、当たり前だがそれは希望的観測に過ぎなかった。万代杉はそう簡単には見えてこず、それでぼくは、仕方なく「時計の針が9時半を指すまでは我慢しよう」と決め、なおも黙々とその崖道を登り続けた。
すると、万代杉は9時20分頃に姿を現した。
モッチョム岳の登山は、道なき道を進むような感じなので、あまりはっきりとした目印がない。だから、自分が今どこら辺にいるのかというのは、あまり分からない。
唯一、大きな目印となっているのが「万代杉」と呼ばれている大きな杉で、これはちょうど、山頂までの中間地点のところにある。だから、とりあえずはこの万代杉到着が目標となるのだ。
しかしながら、行けども行けどもなかなか万代杉は見えてこなかった。仕方なく、ぼくは時計ばかり気にしていた。頂上まではだいたい3時間の行程のはずだから、万代杉にはだいたい1時間半後の9時半くらいに着く計算だ。
それは分かっていたのだが、ぼくは登っている途中から、「もう着いてもいいのではないか、もうそろそろではないか」という思いにとらわれるようになっていた。もしかしたら、自分が思うより快調に登れていて、予定より早く万代杉が見えてくる……そんなことはないだろうか?――という希望的観測にとらわれていたのである。
しかし、当たり前だがそれは希望的観測に過ぎなかった。万代杉はそう簡単には見えてこず、それでぼくは、仕方なく「時計の針が9時半を指すまでは我慢しよう」と決め、なおも黙々とその崖道を登り続けた。
すると、万代杉は9時20分頃に姿を現した。
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