ハックルベリーに会いに行く
学生に伝えたいお金のこと:その7(1,887字)
ぼくは、『もしドラ』が売れてお金が入ってきたとき、「貯めよう」などとは微塵も思わなかった。むしろ、早く全部使い切ってしまおうと思った。
なぜかというと、現金を持っていることは危険と考えたからだ。どう危険かというと、現金の価値はどんどん目減りしていくから、持っていると文字通り「腐る」のである。
そのため、早いうちに価値のあるものへと変換することが必要だった。いわゆる「投資」である。お金は、投資してこそ価値が生まれる。持っているだけではこれも文字通り「宝の持ち腐れ」なのだ。
「機会損失」という言葉がある。「何かをしなかったことによって得たはずのものが得れないこと」をいうのだが、「お金を使わないで貯蓄する」というのは機会損失そのものだ。投資のチャンスを逸しているのである。こんなもったいないことはない。
だからぼくは、早くお金を使いきってしまおうと思った。そのために事務所の不動産を買おうとしたのだ
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