「絶対」というものを否定する人は多い。「世の中に絶対はない」という物言いは、「世の中に正解はない」というくらいにポピュラーで、多くの人がそれを心から肯定している。

しかしながら、これは極めて当たり前で、本来は言うまでもないことなのだが、絶対は「ある」。
例えば、分かりやすいのは「絶対零度」や「絶対速度」だ。温度は、マイナス273度以下には下がらないし、速度も、光の速さを超えたりはしない。

また、絶対の存在は論理的にも説明できる。もし「絶対がない世界」というのが正ならば、「絶対は絶対にない」というのは正になり、これは矛盾をはらんでいる。だから、絶対は正となり、存在するのだ。

こんなのは、子供でも分かりそうな論理の初歩の初歩だが、それでも多くの人は「絶対をない」と思っている。それどころか、躍起になって絶対の存在を否定する人も少なくない。絶対というものに、むしろ憎しみすら覚えている節がある。