ハックルベリーに会いに行く
マンガの80年代から90年代までを概観する:その46(1,964字)
赤塚不二夫のマンガの最も重要なモチーフは「父」である。特に「父の失権」だ。権力を失った父の、その落ちぶれた様を笑う――というのが、赤塚マンガの基本構造である。その根底には、強烈な父親差別(かつ愛憎)がある。
「笑い」というのは、このように差別構造の上にしか基本的に成立しない。しかしながら、弱者を差別するのは一方で、人間の持つ倫理に反する部分もあり、素直に笑えないところがある。
その矛盾を解決するために、いつしか人は「権力者を差別する」という笑いの構造を生み出した。現代日本でも、例えば「首相はどれだけ差別してもいい」ということになっている。安倍元首相などは、日本で一番差別された人間といっていいだろう。校長先生や会社社長を差別するのも、これと一緒の構造である。
ただし、こういう構造は昔からあり、すでに技法として定着してしまっている。そのために、刺激や面白みが少ない。安倍元首相を差別する人は多い
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コメント
コメントを書く津波の映像に惹きつけられるのはそういうことなんですね。