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赤塚不二夫のマンガの最も重要なモチーフは「父」である。特に「父の失権」だ。権力を失った父の、その落ちぶれた様を笑う――というのが、赤塚マンガの基本構造である。その根底には、強烈な父親差別(かつ愛憎)がある。
「笑い」というのは、このように差別構造の上にしか基本的に成立しない。しかしながら、弱者を差別するのは一方で、人間の持つ倫理に反する部分もあり、素直に笑えないところがある。
その矛盾を解決するために、いつしか人は「権力者を差別する」という笑いの構造を生み出した。現代日本でも、例えば「首相はどれだけ差別してもいい」ということになっている。安倍元首相などは、日本で一番差別された人間といっていいだろう。校長先生や会社社長を差別するのも、これと一緒の構造である。
ただし、こういう構造は昔からあり、すでに技法として定着してしまっている。そのために、刺激や面白みが少ない。安倍元首相を差別する人は多い
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