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婚活に勝つための戦略(2,777字)
今、多くの男女が婚活で悩んでいる。ネットで検索すると、婚活で悩む男女の悲痛な叫びが数え切れないほど木霊している。
今、結婚は無理ゲー化している。まず、「経済」が停滞している。給料は上がらないのに、税金や保険金は上がる一方。その上、今年に入ってから物価も急上昇。
それに、結婚向きの「相手」が見つからない。不誠実な人は論外だが、そもそも個人主義的な人が多く、なかなか協力関係をうまく構築できない。
それにもかかわらず、「周囲」からのプレッシャーは小さくない。親が結婚をせかすことは少なくないし、友人や知人の結婚式に出るたびに、焦りもどんどん募っていく。
また、女性には「年齢」によるプレッシャーもある。男性にもあるが、女性は実際に生まなければならないからもっと切実だ。子どもがほしくて結婚するなら、なおさら焦りが募ってしまう。
さらに、子供が生まれたら生まれたで、「子育て」も大きな負担となる。ワンオペを強いられる夫婦も少なくないし、教育費もかかってくる。最近では、安心して任せられる学校も少ない。
そんなふうに、ざっと挙げただけでも、「経済」「相手」「周囲」「年齢」「子育て」と、5つもの壁がある。こんなに難しいことを、政治や社会はほとんど結婚する2人に丸投げして、ちっとも助けてくれない。
これでは、「結婚するな」と言っているようなものだ。実際、そんな無理ゲーに嫌気が差して「結婚しない方が勝ち」と考える人も最近は増えた。
それでも、やっぱり結婚したいという人もたくさんいる。それはもう、理屈ではなく本能のようなものだ。そういう人が、婚活をし、その苦しさに悲鳴を上げているのだ。
そんな人に対して、何ができるかと考えた。もちろん、できることなど限られているが、それでも、少しでもいいから役に立ちたい。せめて、苦しみを和らげる、何かヒントのようなものだけでも届けたい。
そこで、今回はシンプルに「婚活に勝つための戦略」というものを考えてみた。
「戦略」というものは、要素を洗い出し、その攻略方法を考えるということである。要素は、すでに洗い出した。上の「経済」「相手」「周囲」「年齢」「子育て」の5つである。そこでここからは、その攻略方法を、個別具体的に考えていく。
その1「経済を攻略する」
これからの日本経済は、ますます沈没する。特に、サラリーマンの賃金は下がる一方だ。それに比べると、むしろ自営業の方が安定する。フリーランスの方が、まだ可能性が高い。
そのため、夫婦のどちらか、もしくは両方がフリーランスという組み合わせの結婚をすべきだ。自分がサラリーマンだったら、相手はフリーランス一択。自分がフリーランスだったら、相手は保険としてサラリーマンでもいい。
しかし、これからのサラリーマンは皮肉なことに「安定」がないので、フリーランスの方がより有利になる。そのため、たとえ今はサラリーマンでも、絶えずフリーランスへの道を模索する。それが、経済を攻略するための第一歩だ。
その2「相手を攻略する」
結婚相手が上手くいかない一番の理由は、「結婚観」「男女観」のすれ違いによるものだ。そして、そのすれ違いはどちらか片方、もしくは双方の「価値観の古さ」に起因している場合が多い。つまり、常識に凝り固まった古い考えが、相手との良好な関係を邪魔しているのだ。
そのため、まずは自分が古い価値観を捨て、新しい価値観を持つことがマストになる。その上で、相手にも新しい価値観を持つことを求める。そうしないと、これからの結婚は上手くいかない。
では、新しい価値観を持った相手をどのように見つけるか? 最も簡単なのは、新しい価値観が書かれた本――例えばサンデル教授の本――などの読書会に参加し、新しい価値観を持っている人を見つけることである。そのため、これからは「読書会」が、婚活の場として熱い。
その3「周囲を攻略する」
周囲というのは、主に友人や家族のことだ。サラリーマンだったら、職場の同僚によるプレッシャーもあるだろう。
そういうものから自由になるためには、むしろこちらから積極的に「婚活中」であることをアピールすることがだいじだ。
人間というのは不思議なもので、こちらが隠していると、興味を持って食いついてくる。それがプレッシャーになる場合が多いが、逆にこちらから積極的に情報を開示すると、ほとんどの人は興味をなくす。
それでも食いついてくる人は、よっぽどあなたのことを思ってくれているということでもあるので、それは逆に「助っ人」として活用していくべきだ。
とにかく、首から「婚活中」と看板をぶら下げるくらいでちょうどいい。なんなら、ネットで定期的に公開するのもいいだろう。そうすることで、プレッシャーは逆に薄まる。
その4「年齢を攻略する」
これが、一番難しい。そこで、ぼくがおすすめしたいのは、「一度軽く籍を入れてみる」ということだ。結婚式も何もなしに、つき合った人とお互いに合意したら、さっさと籍を入れてしまう。そうして、「入籍」を軽いものにしていく。
多くの人にとって、入籍は重いものだ。だからこそ慎重になって、年齢をいたずらに重ねてしまう。
しかし、実際に入籍して分かるのは、驚くほど軽いということだ。きわめて呆気ない。だから、離婚してもそれほどのダメージはない。昔だったら「戸籍に傷がつく」などといわれたが、今は男も女もむしろ「バツ」がついていた方がモテるくらいだ。
なので、まずは軽く入籍してみる。それが、年齢を攻略する最善の方法だろう。
その5「子育てを克服する」
子育てにおいて最も重要なのは、やはり「お金」である。お金があれば、子育てにおけるたいていの問題は解決できる。逆にいうと、子育ての問題は、だいたいお金がないことに起因している。
そこで、子育てを克服するには、まずは「支出を少なくする」こと。例えばオモチャや服は、極力中古で済ませる。
さらに、学校教育にはなるべくお金をかけない。実際ぼくは、学校にはいかせずに育てている。なぜなら、今は学校へ行っても大して学力は身につかず、就職も有利にならない。その割に授業料ばかり高いので、いいことがほとんどない。
そんなふうに「支出を少なくする」ということについて、あれこれと工夫する。それには、社会を勉強し、経済観念を身につけていく必要もあるだろう。ここは、多少の努力が必要だ。
いかがだっただろうか。以上が、ぼくが考える「婚活に勝つための戦略」である。こういう考えを持った男女なら、きっと今の時代でもうまく結婚でき、しかも継続していけるのではないだろうか。
今度、「第8回岩崎夏海クリエイター塾」という私塾を開講します。こちらでは、結婚についての議論もしていきますので、ご興味のある方は、よろしければこちらの記事をご覧ください。