人間が幸せに生きるためには、「80歳になってもできるようになることの喜びが持続できるもの」が必要となる。それを持つことが、上手に生きるコツといえよう。

では、「80歳になってもできるようになることの喜びが持続できるもの」とは何か?
ズバリ言うなら、それは「自然とかかわる」ということだ。もっと言うと、「土と木にかかわる」ということだ。

ぼくの知っている農業をしている女性は、まだ若いのだが、こう言っていた。

「農業は本当に難しい。なぜなら同じ条件というのはけっして起こらないからだ。作るたびに違う条件となる。だから失敗のくり返しだ」

それでも、と続けてこう言った。

「自分が成長している実感があるのは不思議だ。毎回全てが新しいわけではなく、くり返し遭遇するできごともある。だから、自然というものの本質が、段々分かってくる感覚がある。やればやるほど、『なるほど』という感覚も増えた。『きっとこうなるだろ