ハックルベリーに会いに行く
マンガの80年代から90年代までを概観する:その62(1,893字)
柳沢きみおは1948年の生まれ――つまり団塊の世代である。
1970年、22歳のとき週刊少年ジャンプでデビューする。その後、ジャンプ専属マンガ家のとりいかずよしのアシスタントを務める。そこで、とりい式ギャグの薫陶を受けたのだろう。しばらくはジャンプでギャグマンガを描いていた。
1975年にジャンプの専属が解かれ、1976年から週刊少年チャンピオンで『月とスッポン』の連載が始まる。27歳のときだ。
この作品も、最初はジャンプ的ギャグマンガだったが、次第に変容を見せ始める。きっかけは、登場人物たちが成長していったことだ。最初は中学生だったのだが、高校生になり、最後は大学受験を控えたところで終わる。
その間に、主人公たちの内面も成長し、勉強や恋愛に対して切実に向き合うようになる。そうなると、単なるギャグマンガでは終わらず、「人間そのもの」を描く文学的な内容へと変容するのだ。
特に、はじめは脇役に
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