ハックルベリーに会いに行く
令和日本経済の行方:その28(1,618字)
日本社会というのは実に巧妙にできている。自由がないようで、実はしっかり存在する。
ここ数年でぼくが強く感じたのは、まず日本にはコロナのワクチンを打たないでもいい自由がある、ということだ。次いで、学校に行かないでいい、という自由もある。さらに、サラリーマンにならなくてもいい自由や、都心に住まなくてもいい自由がある。一見自由がないように見えて、実は自由が大きいのだ。
これは日本社会の特性だろう。「常識」という緩い鎖で縛ることはするが、自分で脱しようと思えば簡単に脱することができる。ただし、脱して失敗した場合は「自己責任」というわけだ。そこで何かあっても知らないよ――というわけである。
そのため、日本では定期的に「脱常識した人の転落話」がもてはやされる。最近の典型は、脱サラして飲食店を始めたものの、数年で閉店し、退職金が全て消え、今はアルバイト生活――などという話だ。そういう不幸を好む人が本当に
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