ハックルベリーに会いに行く
石原莞爾と東條英機:その15(1,938字)
帝国陸軍の秘密結社を最初に作ったのは山縣有朋だ。しかしはじめ、それは秘密結社というより単なる「藩閥」だった。長州閥だ。山縣は、長州出身者を依怙贔屓し、要職に引き立てていったのだ。
しかし当たり前のことだが、その動きは他藩出身者の反感を買う。それを敏感に察してから、山縣は表立った行動を控えるようになる。そうして、長州出身の者だけではなく、他藩の人間も引き立てるようなポーズを取った。
その一方で、裏に回って自分の足場を固めていった。部下を秘密裏にスパイに仕立て、陸軍のあちこちに配備したのである。
そうして、自分に対して反感を持つ者はいないか、謀反を起こすような人物はいないか、嗅ぎ回っていったのだ。
その甲斐あって、山縣に対するクーデターの芽は事前に摘まれるようになった。山縣は、自分に反感を持つ人間に目を付けると、あの手この手で出世を妨げた。そうして謀反を起こさせないようにしたのだ。そういうふう
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