ハックルベリーに会いに行く
石原莞爾と東條英機:その24(1,750字)
一夕会はほとんど偶然にできた組織だったが、時の流れが味方して、信じられないくらいに勢力、そして権力を拡大していった。これはひとえに一夕会をリードした永田鉄山のリーダーシップ(時代の読みの確かさと求心力)もあるが、たまたまその周りに優秀なエリート将校が集まり、互いに切磋琢磨していったことの結果でもあろう。
エリート同士が集まると、普通は反目し合って出世競争などをくり広げ、結果的に小さく収まってしまうものなのだが、このときはなにしろ山縣有朋という巨大な共通の敵がいた。山縣の率いる長州閥を打倒することは、若きエリートたち共通の悲願であって、この一点において彼らは一致団結し、互いに切磋琢磨して成長することができたのだ。
そういうふうに、一夕会はいうならば偶発的にできた「天才育成機関」であった。天才というのは突然単独で現れるものではなく、通常より固まって集団で現れる。分かりやすいのが芸術家で、ダ・ヴ
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