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偽物の個人時代:その24(2,122字)
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偽物の個人時代:その24(2,122字)

2024-01-11 06:00
    今が「偽物」の個人時代である大きな理由の一つとして、多くの人が「自動化された言葉」を使い、従って「自動化された個人主義」を生きている、ということがあるだろう。

    つまり、本人は「本物」の個人主義のつもりなのだが、それは単なる真似に過ぎないので、「偽物」の個人主義になってしまっている、ということである。本当に「本物」の個人主義なら、他人の真似ではなく、その人固有のものになっていくはずだ。

    では、なぜ人はその人固有の生き方ができないのか? その最大の理由は、有史以来、それがずっと必要なかったから、というものになるだろう。およそ100年前まで、人は、その人固有の生き方をする必要が全くなかった。

    その人固有の生き方に価値があるということを最初に明示した人のひとりに、ココ・シャネルがいる。彼女はおおよそ140年前の生まれである。日本の暦でいうなら明治生まれだ。

    彼女が、今からちょうど100年前頃、「そ
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