ハックルベリーに会いに行く
宮崎駿監督の『耳をすませば』にはキャラクターの上下動シーン(空間移動)がよく出てくる。取り分け階段の上り下りが多い。
元々宮崎監督はキャラクターの空間移動がとても多い映像作家だった。監督した映画にはほとんどの作品に飛行シーンが出てくる。それも数多く出てくる。『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『魔女の宅急便』『風立ちぬ』などは、どれも飛行が映画のテーマともなっている。
そうした中で、この『耳をすませば』は異色である。それは飛行シーンがほとんど出てこないからだ。代わりに、坂や階段の上り下りのシーンと、ファンタジーの世界での空中散歩が出てくる。
これは、おそらく宮崎監督が、もっと「現実的」な上下動を描こうとした結果ではないだろうか。飛行というのは、ほとんどの人が経験できない。飛行機を操縦する人など人類の中でごく限られているし、パラグライダーなどもまだまだ体験者が少ない。
ところが、