その部屋、あるいはその「建物」にとって、「ロケーション」はとてもだいじだ。
「ロケーション」とは、その建物が「どんな場所に建っているか」――ということである。

建物にとって、「どんな場所に建っているか」ということがだいじなのは当たり前のようにも思えるが、しかし現代では、これが思いのほか軽視されている。なぜかといえば、テクノロジーの進歩によって、冷暖房などを完備すればロケーションによる日当たりの悪さや風通りの悪さをある程度カバーできるようになったからだ。

しかしながら、それがカバーできる範囲にはやっぱり限界がある。機械では、自然の作り出す日光や風の気持ち良さにはなかなか敵わないし、部屋の温度も、冷暖房を使わないで済むのなら経済的で、それに越したことはない。

またロケーションというのは、「どういう場所に建っているか」ということに加え、そこに至るまでにどういう道筋を辿るか――言い換えれば「どういうアプロ