ハックルベリーに会いに行く
ライトノベルの書き方:その40「古今の名作に見る『日常の破れ目』」(2,218字)
リビドーというのは、定型化された物語の中に良い意味での破綻をもたらす。そしてそのリビドーは、「日常の中の破れ目」に発露する。
だから、「日常の中の破れ目」を探していけば、そこにリビドーを見つけることができる。そうして、物語に良い意味での破綻をもたらすことができるのだ。
では、「日常の破れ目」にはどのようなパターンがあるのか?
それを、古今の名作からひもといてみたい。
まず、パッと思いつくのは「占い」である。
ギリシア悲劇「オイディプス」において、オイディプスの父親のライオスは、不吉な占い(神託)を得たことから、息子を殺そうとする。それが結局、事件の発端となる。ライオスの行動が、結果的に占いを現実のものとしてしまうのだ。
あるいは、「イーリアス」においても、占いは重要な役割を果たす。占いを巡る神々のいさかいが、人間世界、引いてはアキレウスに悲劇をもたらすのである。
物語に限らず、占いによって
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