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『新潮45』「そんなにおかしいか杉田水脈論文」を読む(再)
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『新潮45』「そんなにおかしいか杉田水脈論文」を読む(再)

2021-12-10 19:45
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     引き続き『Daily WiLL Online』様で「トランスブーム」にまつわる危機について書かせていただいています。


     前回にご紹介した記事に続く第三弾で、一応、これが最終回。
     前回記事はおかげさまでランキング一位を取ることができました。
     今回のものについても、ご支援をどうぞよろしくお願いします!
     さて、noteの方は前回に再録した記事の続編、2018/9/25の記事をピックアップ。もっとも長いものなので、前後編に分けることにしました。
     では、そういうことで……。

    *     *     *


     何とまあ、本稿をアップする間もなく、『新潮45』が休刊だそうです。
     いよいよフェミニズムやLGBT活動家が民主主義の敵でしかないことが明らかになりつつあります。
     まあ、残念だし腹立たしい話ですが、愚痴っていても仕方ありません。ともあれ、先に進みましょう。
     当ブログでは以前も杉田水脈氏の記事(『新潮45』8月号)を採り挙げましたが、今月(10月)号では世間のバッシングに対する反論特集とでも言うべきものが組まれ、複数の執筆者による記事を掲載。これが火に油を注ぐ格好になってしまいました
     何しろこの土曜日、神保町まで出て今号を探してみたのですが、大型書店では初日で完売とのお話。近所の町の本屋でも同じく完売という状況で、前回と同じく図書館で読み、本稿もその時のメモを手がかりにしたためることになってしまいました。
     というわけなので、以前の記事を読んでいない方はそちらから読んでいただくことを、強く推奨します。また、本稿では以前の記事を以降は「前回」と呼ぶことにします。
     さて――リベラル様側がネット上で行っている「反論」についてはまだほとんど目を通しておらず、後々突っ込みを入れてみようと思っているのですが――肝心の今月号の特集、大変残念ですが、やはり大騒ぎするようなものとはとても思えませんでした。もっとも、杉田氏の当初の論文ですらあれだけ怒り狂った人々であれば、ただ「反論された」という事実を持ってなおのこと半狂乱になること自体は、想定の範囲内ではあるよなあ――とも思えるのですが、まあ、それは置いて、まず特集全体を概観してみましょう。

     まずは藤岡信勝氏の記事。特集冒頭に掲載された、今回の騒動を俯瞰したような内容で、ぼくの前回のものとほぼ、同じ内容と言ってしまっていいかと思います。
     ただ、ここでは竹内久美子師匠の杉田氏批判への反論もなされています。以下はあくまで藤岡氏の記事のみを読んでの解説ですが、竹内師匠の主張は「ホモに生産性がないなら、そもそも子供にホモのDNAが引き継がれず、とっくに絶滅しているはずだが、そうはなっていない。これはホモの母方が子だくさんの傾向にあるからで、ホモは絶滅しない、ご心配なく(大意)」という何だかわけのわからないもの。
    そういうことは言ってないから」以外の感想が思いつきません。そもそもホモが遺伝要素が強いのか(先天的なのか後天的なのか)すらぼくには判断しかねますが、仮にそうだとしてもホモ自身は生産性がないという結論には変わりがないし、「ホモの母方が子だくさん」というのがいかにも胡散臭い話です。何か根拠あるんでしょうかね。
     それに、更に言うならば「ホモが絶滅していない」理由は単純に、ひと昔前までは「国民皆婚社会」でホモも女性と結婚していたから、DNAが残されたというのが実情でしょう。この理屈ではやはり、ホモにも生産性を担っていただくため、国民皆婚社会(ただし男女に限る)を復活させるべき、となってしまいます。
     また、藤岡氏は「生産性」という言葉が差別的であるとの主張に対して、マルクスやマルクス主義フェミニストの上野千鶴子師匠も「生殖」を「生産」と表現していた、と反論しています。もし杉田氏をレイシストとして糾弾しなければならないのであれば、同様にマルクスも上野師匠も糾弾されなければならない、というわけです(ただ、批判者側は単に「生産性」の文脈を曲解して言いがかりをつけていただけなので、これもツッコミ所はそこじゃない、という気はします)。
     もう一つ、アメリカの連邦最高裁が同性婚を禁じる州法を違憲とする判決を下したそうなのですが、LGBTはこれを称賛するどころか批判している。藤岡氏によれば、これは「異性愛者の結びつきを保護することは同性愛者を排除することだ」との主旨によるものらしいのですが(正直、説明不足でここのつながりはよくわからないのですが)、こうなると異性愛やそれにまつわる制度そのものを何でも否定してしまえる。結局、彼ら彼女らの目的は、婚姻制度の否定というものだと藤岡氏は批判します。フェミニズムが婚姻制度に否定的なのは当ブログでも幾度も指摘してきた通りで、LGBTはやはりそれに強い影響を受けているわけです。

     本特集には「ゲイ当事者」として松浦大悟氏も寄稿しています。
     こうした場合に揉めている両勢力が「当事者様のお声」を恭しく拝聴するスタイル、ぼくは好きになれまぜん。表現の自由クラスタが「女性様のお声」と称してフェミニスト様のお言葉を拝聴するとか、被爆者差別と騒がれた『ウルトラセブン』第12話の擁護論を載せた『朝日新聞』が(作品に肯定的なことを言ってくれる)被爆者の声を聞きに行くとか。そういうのって何だか、母親を自称する二人の女性が小さな子供の手を左右から引っ張っているみたいで嫌らしいと感じてしまうのですが、まあ、だからといって「当事者は発言するな」とも言えません。
     それと実はこの松浦、ツイッター上でぼくをブロックしているクソ野郎なのですが(最近、このトピック関連でツイッターを見て回っていて気づいたのですが、ぼく自身はこの人とやりあった記憶が丸っきりありません)、少なくともここで展開された主張は冷静なものであり、頷ける点が多いと感じました。
     彼も杉田氏を全面擁護というわけではなく、自治体が実施している同性パートナーシップ証明書にはほとんど予算がかかっていないと反論。ただし、復興庁がやろうとしている「LGBTツーリズム」などは好ましくないと批判しています。
    「LGBT差別解消法案」の野党案にはLGBTについてサベツ的なモノは観念すらも除去するとの記述があるそうで、彼はこれに対してまさに人々の内面にまで行政が口を出すことになり、賛成できないと指摘します。これでは『サザエさん』も問題になると。これはまさに正論であり、逆に言うならば「人の内面を改造すること」を主目的とするフェミニストが杉田氏を批判せずにおかないのは当たり前、としか言いようがありません。
     もっともこの松浦氏、一方では国際レズビアン・ゲイ協会がNAMBLAを斬り捨てたことを批判しています。NAMBLAというのは北米少年愛者協会という、大人と子供のセックスの合法化を目的とする集団で、こんな連中を仲間にしちゃいけないのは当たり前としか言いようがありません。やっぱ松浦、クソだな!

    「かずと」という人は尾辻かな子議員について採り挙げています。尾辻師匠が杉田氏の記事を曲解したことがバッシングのきっかけであったらしく、かずと氏は同性愛者としてかつては尾辻師匠に心酔していたが、今回の件には賛成できないとして、師匠が杉田氏にツイッターで論破されている(質問に答えようとしない)ことを指摘しています。

     あなたはLGBTに税金を投入する必要がないことが分かっているからです。LGBTの中でも本当に支援が必要なのはTの中の一部の方だけと分かっている。


     そう、このTこそが、言わばLGBTの稼ぎ頭であったのです。
    『月刊マガジン』など『進撃』が売れてるので採算が取れるのであって、他の漫画など全然人気がなく、『進撃』が終わればいっぺんでつぶれる……言わばTこそが『進撃』であるとの指摘です。こうなると前回ご紹介した杉田氏の「LGBTの中のTだけは支援が考えられる」という指摘が、いよいよ重要な意味を持って来ますね。
     また、尾辻師匠は「LGBT政策情報センター」の代表理事をお務めだそうで、こうなるとやはり、LGBTは結構な利権のタネであることがわかります。
     後は潮匡人氏の「ニュースウォッチ9」の報道への批判が目を引くでしょうか。何しろこの番組では、杉田氏を植松聖に準えて糾弾するというすさまじさだったと言います。もし「休刊」にするべきメディアがあるとしたら、どっちかといえばこっちじゃないでしょうかね。

    *     *     *


     以上です。
     これ以降、小川榮太郎氏の記事をメインディッシュと称して採り挙げるのですが(どうも当時一番、悪評を買ったもののようです)、長いものなので、次回に回したいと思います。
     いずれにせよもう何年も前からキャンセルカルチャーはあったのに、ぼくたちはそれに対し、ずっと手をこまねいてきていた。
     本件はそのことを象徴しているように思います。

    次回配信予定
    • 2024/04/26
      十年目の『ぼくたちの女災社会』(その2)――『女災』は「これフェミ」を予言していた!(その2)
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