結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2015年5月19日 Vol.164
はじめに
おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
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『数学ガール6』を書いています。現在は第3章。 だいぶまとまってきたのですが、まだまだあらが目立ちます。
気持ちとしては、 今月中に第3章と第4章を…と皮算用していたのですが、 さてどうなりますかという感じですね。
まあ、でも、あせらずじっくりと進むしかないのですけれど。
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リサージュ図形の話。
以前もお伝えしたかもしれませんが、 『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』に登場した「リサージュ図形用紙」は、 無料で以下からダウンロードできます。どなたでもご自由にどうぞ。
◆『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』
http://www.hyuki.com/girl/note3.html
この使用例では、x = cosθと y = sin 2θを使って描画をしています。 x = cosθとy = sinθを使うと円になります。
「リサージュ図形用紙」は線が等間隔ではありません。 この線はどんなふうに描いたかというと……
原点から点P(1,0)に向けた線分を考える。
その線分を、原点中心に反時計回りに回転させると、点Pは移動する。
回転した角度が0,30,60,...,360度のときのPの位置を見て、
そこから、水平、垂直に線を引く。
等間隔にならないのは、cosとsinの性質からきています。 詳しい説明は書籍『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』をご覧くださいね。
◆『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』
http://note3.textfile.org/
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昔の話。
ある店でコーヒーを注文しました。 どうも店員さんが慣れていないバイトさんだったようです。
結城「アイスコーヒー、ショートでお願いします」
店員「は、はい、コーヒーですね。ホットでよろしいですか?」
結城「いえ、アイスで」
店員「し、失礼いたしましたっ! アイスコーヒー。大きさは?」
結城「ショートで…」
店員「SとLがございますがっ!」
まるで漫才のような会話になって苦笑したけれど、 特に不快ではなく、逆にほっこりした気分になりました。
「アイスコーヒーをホットでお願いします」や 「それではショートをLでお願いします」と言ったらどうなるんだろう、 と考えちゃいましたけれど。
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ゲームの話。
文章を書いていて疲れたとき、頭をリセットするために iPhoneのゲームをやることがあります。 「やることがあります」というか「よくやります」ですね。 頭をリセットするつもりが、ゲームに夢中になることもよくあります。
《TwoDots》というゲームは、ずいぶん長期間にわたって楽しんでいます。 「同じ色の着いたドットを結びつける」という単純なルールなのに、 非常に楽しめます。 結城はこういうシンプルなルールのゲームが好きなのです。
◆TwoDots
http://weplaydots.com/twodots.html
《Hitman GO》というゲームは、敵の攻撃から身をかわしながら相手を倒すゲーム。 というとまるでシューティングゲームのようですが、 これはどちらかというと将棋に似ているボードゲームですね。 マス目をこちらが一歩進めば、敵も一歩進むというゲーム進行で、 運の要素もタイミングもありません。 とても頭を使わせられる楽しさがあります (頭をリセットするのに、頭を使わされていいのだろうか……)。
◆Hitman GO
https://itunes.apple.com/jp/app/hitman-go/id731645633?mt=8
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さて、それでは今週の結城メルマガを始めます。
今回は、『数学文章作法 執筆編』の第3章、 「パラグラフ・ライティング」の結城メルマガ版をお送りします。
その他に、村上春樹の「村上さんのところ」 というサイトの電子書籍化に関連して思ったことを少し書きます。
「本を書く心がけ」のコーナーでは「愛の原則」について、 また「仕事の心がけ」のコーナーでは「時間とお金」 の関係についてお話ししましょう。
では、結城メルマガをゆっくりお楽しみください!
目次
- はじめに
- 数学文章作法 - パラグラフ・ライティング
- 「村上さんのところ」で思うこと
- 愛の原則 - 本を書く心がけ
- 時間とお金 - 仕事の心がけ
- おわりに