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第140回 五月だけどさわやかになれない人たちのウラガワ(2)
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第140回 五月だけどさわやかになれない人たちのウラガワ(2)

2017-05-15 21:15

    オンナのウラガワ ~名器大作戦~
    第140回 五月だけどさわやかになれない人たちのウラガワ(2)


    ◆もくじ◆

    ・五月だけどさわやかになれない人たちのウラガワ(2)

    ・最近の志麻子さん
     6月に角川ホラー文庫より『現代百物語 不実』発売予定
     TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
     「岩井志麻子のおんな欲」連載中
     カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
     MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

    ・著者プロフィール

    ===

    五月のさわやかさとは程遠いエピソードを今月はご紹介。
    前号にひきつづき、さわやかじゃないどころか、かなり怖いです!

    見知らぬ男が出てくる夢を見て目覚めた陽子。ベッドの中には……。
    ある地方のビジネスホテルの505号室は、噂になっていた……。
    携帯電話がない時代、かおりはテレクラの相手とラブホに行ったが……。


    バックナンバーはこちらから↓
    http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

    2014年11月~15年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
    2016年1月「会えなかったけど気になる女たちのウラガワ
    2月「接点がないのに気になる人たちのウラガワ
    3月「嘘をつかずにいられない人たちのウラガワ
    4月「春のおかしなお便りの数々のウラガワ
    5月「距離感のおかしい人たちのウラガワ
    6月「台湾から連れてこられたある女性のウラガワ
    7月「大人の夏の観察日記のウラガワ
    8月「大人だからわかる怖い話のウラガワ
    9月「『志麻子のヤバモンGO』なウラガワ
    10月「取り返せない夏の思い出のウラガワ
    11月「常夏の国で生きる女の秋のウラガワ
    12月「冬を生きながら春を待つ女達のウラガワ
    2017年1月「自分を重ねてしまう若者たちのウラガワ
    2月「冬に聞いた奇妙な怪談のウラガワ
    3月「春のさなかに聞いた怖い話のウラガワ
    4月「木の芽時な人達のウラガワ



    ※2014年10月以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

    2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
    2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

    ====

     一年のうちでもっともさわやかな季節ではあるが、人もみんなさわやかになるとはいかないのだわ。心の中は氷に閉ざされていたり、わけのわからん常夏の空気にのぼせている人もいるし。

     今月は、「五月でもみんなさわやかではない」というのがテーマだ。いつものことながら、登場人物はすべてここだけの仮名、職業や年齢も微妙に変えてある。

                        ※ 

     バツイチ、子なし、ついに四十路も後半。そんな陽子は一人暮らしになってから犬を二匹を飼い始め、もう十年経つ。
     その間、何人かの男性と出会いはあったが、再婚を考えるほどの人は現れず、なんとなくみんな自然消滅に近い別れ方をしていた。彼女自身、愛犬との暮らしが快適で、今さらまた面倒な結婚生活をしたいとは願ってなかった。

     離婚の原因は元夫の浮気だったから、彼女は慰謝料ももらっていたし、親の遺してくれたアパートなどもあり、生活には困ってなかった。たまに派遣で働くくらいで、その頃はわりとのんきな休職中かつ求職中だった。

     ……五月のとても気持ちのいい夜だったのに、陽子は寝苦しさにうなされ、奇妙な夢を見た。見知らぬ男が出てくる夢だ。

     彼は夢の中で陽子の夫になっているのだが、どこへ行くにも何をしていても四つん這いになっている。ご飯は、床に置いた容器に顔を突っ込んで食べる。外出のときは首輪をつけ、彼女にリードを引っ張られる。

     そう、まるで犬なのだ。現実に飼っている雑種の二匹も夢の中に登場してきて、彼と一緒にボールを追っかけたり散歩したりしている。

     二匹は彼を、人間ではなく犬として接していた。夢の中の陽子は、彼を犬と見ているのか人と見ているのかあいまいだ。特にタイプでもないが、生理的な嫌悪感などはない。

     
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