オンナのウラガワ ~名器大作戦~

◆もくじ◆

・記憶が混乱するアレコレのウラガワ(3)

・最近の志麻子さん 
 「オメ★コボシ68」配信中
 『遊星王子』4月に「日テレプラス」で連ドラ放送予定
 5月公開の映画『死刑にいたる病』に出演
 「夕やけ大衆」で「四畳半ホラー劇場」を連載中
 『でえれえ、やっちもねえ』角川ホラー文庫より発売中

 カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
 MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

・著者プロフィール

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外出を控え、できるだけ家に籠っているようになると、
過去の出来事が去年だったか一昨年だったかと、ごちゃごちゃになってくる。
記憶の混乱がどうしても起こってくるものだが、意識的に、意図的に
それをおこなっているような人たちも居て……。

子どものころ、目立ちたい、かまわれたいとなればいくつかの方法があった。
昨今は、SNSの発達もあってか、「病んでるアピール」「不幸アピール」をネット上でおこなう人が出てきているようで……。

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2014年11月~20年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
2021年1月「ゆるく共存していくことを考えさせられるウラガワ
2月「いつの間にか入り込む怖いもののウラガワ
3月「もはや共存するしかないあれこれのウラガワ
4月「変わらぬもの、変わりゆくもののウラガワ
5月「子どもっぽい大人、大人になっても子どもな人のウラガワ
6月「ドライになり切れないウェットな物事のウラガワ
7月「ホラーの夏なので怖い怪談実話なウラガワ
8月「夏といえばの怖い話・奇妙な話のウラガワ
9月「歳を取れば大人になれるわけではないウラガワ
10月「この歳になって初めて知ることもあるウラガワ
11月「「どこで逸れたんだろう」と考えてしまうウラガワ
12月「人生そのものがお楽しみ会のウラガワ
2022年1月「まだ楽観視できない未来を思うウラガワ


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2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

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 新型肺炎が蔓延するようになってから、私の記憶はバグを起こし気味というのか、あの出来事は去年だったか一昨年だったかと、ごちゃごちゃになっている。外出を控え、できるだけ家に籠っているようになったからだ。

 ずっと冷暖房が利いた部屋にパジャマでいると、季節感も乏しくなってくる。今月はそんな、記憶の怖い混乱や笑える混沌を書いてきた。

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 私が子どもの頃は、勉強、スポーツ、音楽や美術、何も上位に立てるものがなく、容姿も並み、親に地位も財力もない、とにかく普通の子が、それでも目立ちたい、すごいといわれたい、かまわれたい、となれば、大ざっぱに三つくらいの方法があった。

 不良になる。病弱、もしくは難病を抱えていると装う。霊感があるふりをする。

 しかし不良になるのは、いろんなものと戦わなきゃならないし、将来を台無しにしかねないリスクも大きかった。本格的な不良になるには、根性も強さも要った。

 病気を装うのも徹底的にとなれば難しい。好きな体育の授業にだけは出たり、休みの日に遊んでいるのを見られれば、仮病と見抜かれ嘘つき呼ばわりされる恐れもあった。

 霊感があるふりは、話術や演技力が伴わなければ、変なことばかりいってる変な子、にしかなれず、アタマおかしいんじゃないかと、不本意な評価をされかねなかった。

 私の場合、栴檀は双葉より芳しといっていいのか、幼い頃からエロ話と怖い話だけは得意だったので、それらを話しているときだけは輪の真ん中にいられた。それが半世紀を超えて続いているどころか、職業にまでしてしまったのね。

 考えてみれば私は、中途半端に勉強やスポーツができず、すごい美少女でも金持ちの子でもなかったことが、今の岩井志麻子になれたわけだ。誰もうらやましがらないが、私としては良かったな、というしかない。

 そんな普通の子の足掻き、であるが。昨今はそこに、「心を病んでる」と「極端に不幸な生い立ち」が加わってきたらしい。
 そんなん昔からあった、というご意見も事実もあるが、ほんま今はそれが「普通の子が普通でないとアピールすること」の主流になってきているらしい。

 もちろん、本当に病んでいる子や、他人が聞けば言葉をなくすような不幸な環境にいる子もたくさんいて、彼らには大人からの救いが必要であるよ。
 強い病んでるアピール、そのものが病んでる証拠にもなるだろうし。

 不幸な環境を創作してしまっている子に、「本当は恵まれた環境にいるくせに」と責めるばかり、正当な説教で済ますのもイカンわ。
 恵まれていると見るのは他人の目であって、本人は自分の創作を自覚しつつも、そうせずにはいられない環境も心境も確かにあるのだろうし。

 さて、そこまで親しくないが何度かお会いした一回りほど下の女性社長がいる。