まずはこちらの表(表A)をご覧いただきたい。
天鳳の段位別アクティブユーザー数です。
※参照 段位戦4人打ち平均成績
総アクティブユーザー数276367人に対して
7段以上のプレイヤーは2607人しかいません。この統計データを元に
鳳凰卓に到達している人は全体の1%もいない
と主張されたらあなたはどう思いますか?
決して間違ったことを言っているわけではないのですが
ん? そんなに7段って難しいか??
と思ったとしても極々自然な反応かと思います。
これは天鳳の段位別ポイント増減表です。トップ率2割、2着3割、3着率2割、ラス率3割の激弱雀士が、天鳳で上級卓東南戦の初段に挑んだとしましょう。
(60×0.2)+(15×0.3)-(45×0.3)
これでも1戦毎の期待ポイントはプラスになります。つまりある一定の段位までは
数多く打てば誰でも到達することが可能なシステムということです。
(表A)における初段以下の人は明らかに
途中で飽きて止めてしまったプレイヤーであることは間違いありません。
鳳凰卓に到達している人は全体の1%もいないかもしれませんが
鳳凰卓に到達している人は全体の実力上位1%のプレイヤーであるわけではないのです。
全体の統計データを元に結論を出す手法は必ずしも正しいとは言い切れません。
より正確なデータを入手したければ母集団の選別は必須なのです。
例えばドラも何もないこのような牌姿(牌姿A)時は既に7巡目です。
全体のアガリ役の中でチートイツの出現率は2.5%だから狙わないほうが良い
と主張されたら ??? となりますよね。そんな統計データは完全に無意味です。
7巡目4トイツからのチートイツ成就率は○○%
この手牌に役立つ統計データを入手したかったら
アガリ役全体のデータではなく、せめてこの程度の母集団の選別は必須でしょう。
チートイツイーシャンテンからの平均テンパイ巡目は○○巡
といったデータもあまり参考にはなりません。
麻雀の選択基準は常に選択Aと選択Bまたは選択Cとの比較なのです。
その手牌をチートイツにしたときの成就率と打点、メンツ手にしたときの成就率と打点の比較。それぞれの手組にしたときの失点率なども判断基準に入るでしょう。
ちなみに(牌姿A)アガリが特別重要な局面、カンチャン受けに手応えがある局面以外はチートイツに決め打って、全員に対する無筋を今のうちに切っておくことも多いです。
どちらにせよアガリにくいですよね?
ならば将来危険になりそうな牌を今のうちに打っておいて
場況を睨みながら安全そうな牌を溜め込み
カウンターを狙うほうが攻守のバランスが良いのではないでしょうか?
自分の主張を固めたいがために数字を使う人はよくいます。
(表A)を持ち出して「鳳凰卓はとても難しいところなんだよー」とか――
メンツ手にすることを主張したいがために
チートイツの出現率とか平均テンパイ巡目とか――
その数字、母集団の選別はできていますか?
他の選択を選んだときの数字と比較できていますか?
統計の罠に騙されるな
統計データを軽んじている訳ではないですよ。
ただ数字による結論を何でも鵜呑みにするのはいかがなものか?という話です。