誰もいない事務所でひとり原稿を書いていた時、何の前触れもなく、流れ星みたいな閃きがあった。すぐにお母さんに伝えた。実を言うと僕が思いつかなかったらこれ、という案をお母さんがひとつ用意していたのだけれど、僕の閃きを訊いた瞬間に「いいと思う」と笑ってくれた。何ならたった今自分が閃いたとでもいうくらいの笑顔で。