眩しすぎる太陽と輝く海に根負けして134号線を走り始めたのは、朝から部屋に閉じ籠もってひたすら書き続けた土曜の午後だった。早くなる鼓動とともに流れの強くなった血が凝り固まった背中や臀部をほぐしてゆく。信号を海側に渡ると透き通った海底一面に根を張った海藻の香りが鼻腔を満たした。