町の防災無線が不要不急の外出を控えるよう繰り返し警告していた週末の朝だった。渋滞の始まった下り線を横目に海沿いの国道を山側に右折する。隧道を抜けるとそこには海の眩しさまでたった五分なんて信じられない光景が広がる。新緑の里山。山頂から流れていく穏やかな川の両脇には尾根伝いに畑が続いている。
車を降りると、僕らは苗を載せたケースを抱え、その一画にある菜園へと向かった。
草の根広告社
「世界から遠く離れて」
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