緊急事態宣言は延長されたが、一時は100人を越えた市内の感染者が一桁まで減ったところで、1ヶ月に及ぶ登園自粛協力を解除することにした。
「長い夏休みたのしかったよ」
 久し振りの登園で家を出たところで僕を見上げて娘が言った。親に気を使っているのかもしれない。だって久し振りに先生や友達と遊べるうれしさが全身から溢れ出していたから。
「1ヶ月がんばってくれて本当にありがとう」と僕は両親の在宅勤務につきあってくれた娘に礼を言った。