こんにちは。マクガイヤーです。
ゴールデン・ウィークも終わり、6月は一日も祝日が無いことに絶望しております。
こういう時こそ有休のとりどきですね。
胸をはって有休をとることこそ社会人のたしなみ……という風潮を醸成したい今日この頃です。
マクガイヤーチャンネルの今後の予定は以下のようになっております。
○6月3日(土)20時~
「俺たちの『コブラ』」
ヒューーッ!
『コブラ』といえば、1978年から『週刊少年ジャンプ』で連載が始まり、その後も掲載誌を変えつつ断続的に継続しているご機嫌なSFアクション漫画です。
自分は親父の本棚から盗み読みして以来、『コブラ』が大好きなのですが、21世紀になっても新作アニメが発表されたり、実写化企画が進行していたり、ネットでMAD映像やコラ画像が発表されたりと、断続的に盛り上がっているコンテンツでもあります。それは まぎれもなく ヤツさ!
そこで、ゲストとして同じく『コブラ』が大好きなオタク大賞名誉審査員のナオトさんに出演して頂き、おっさん二人が『コブラ』の元ネタや成り立ちについて解説したり、傑作エピソードについて語り合ったり致します。
盛り上がらなかったら……笑ってごまかすさあ!
○6月24日(土)20時~
「サバイビング・ジブリ ジブリ・サバイバーとしての米林宏昌と『メアリと魔女の花』予想」
7/8より元スタジオジブリ現スタジオポノックの米林宏昌監督による期待の新作『メアリと魔女の花』が公開されます。
米林監督といえばカオナシのモデルで有名ですが、「麻呂」という仇名をつけられつつも、後進を育てられないことで有名なスタジオジブリで『借りぐらしのアリエッティ』、『思い出のマーニー』という長編作品をしっかり形にして発表できた稀有な監督でもあります。
そしてこの二作には、あまり知られていませんが、スタジオジブリについてのメタ的な意味が込められてもいるのです。
そこで、『借りぐらしのアリエッティ』、『思い出のマーニー』の秘められた意味について解説しつつ、『メアリと魔女の花』について予想したいと思います。
是非とも『借りぐらしのアリエッティ』、『思い出のマーニー』を視聴した上でお楽しみ下さい。
○7月前半(日時未定)20時~
「『ハクソーリッジ』と天才変態監督メル・ギブソン」
6/24よりメル・ギブソン久々の監督作である『ハクソーリッジ』が公開されます。
本作は2017年の第89回アカデミー賞において録音賞と編集賞を受賞しました。これまでどう考えても落ち目だったメル・ギブソンにとっての復活作なのですが、『ブレイブハート』『パッション』『アポカリプト』といったこれまでのメル・ギブソン監督作を観ていた我々には分かっていたことです。
メル・ギブソンが、稀代の変態にして天才映画監督であることを……
そこで、俳優・監督としてのメル・ギブソンについて振り返りつつ、『ハクソーリッジ』について解説したいと思います。
是非とも『ハクソーリッジ』を視聴した上でお楽しみ下さい。
○7月後半(日時未定)20時~
「最近のマクガイヤー 2017年7月号」
いつも通り、最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
詳細未定
○8月前半(日時未定)20時~
「しあわせの『ドラゴンクエスト』」
7/29に『ドラゴンクエスト』シリーズ久しぶりのナンバリングタイトルにして非オンラインタイトル『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』が発売されます。
『ドラクエ』といえば「国民的ゲーム」の冠をつけられることが多いですが、『ポケモン』や『妖怪ウォッチ』や『マインクラフト』といったゲームを越えたコンテンツが席巻し、ゲームといえば携帯ゲームである現在、事情は変わりつつあるようです。
そこで、これまでの歴代作品を振り返りつつ、ドラゴンクエストの魅力に迫っていきます。
さて、今回のブロマガですが、ついに発売されたバーザムのプラモデル――HGUC版バーザムについて書かせて下さい。
ガンダムにもガンプラにも全然興味が無い人からみれば、なにをそんなに騒いでいるんだと不思議で仕方がないと思うのですが、少しでもガンプラに興味がある人からすると、バーザム発売はもの凄い衝撃なわけですよ。
まずそもそもの話からはじめますと、たとえガンダムといえど、アニメに登場するモビルスーツ(MS)というか、ロボットなり戦艦なり未来兵器なりが全部プラモデル化されるわけではないという前提があります。よくロボットアニメは「おもちゃ会社の宣伝番組」などと揶揄されますが、少子化が叫ばれる昨今、主人公が乗るヒーロー然としたロボット以外は、そんなに売れないという風潮があります。一昔前は、シャア専用ナントカーみたいなライバルが乗る悪役の格好良さが詰まったロボットや、ザクのような工業製品としての魅力が詰まった量産型ロボットや、ゴッグやズゴックのような局地戦型……という言い訳のついたモンスターのようなロボットもラインナップに入りましたが、あまり売れなくなったのです。そもそも、ライダーもウルトラマンも、怪人や怪獣は売れず、ヒーローとそのバリエーションしか売れないようになりました。いま、敵側の怪獣や怪人のフィギュアを買うのはおっさんばっかりです。
バーザムは1985年に放送された『Zガンダム』の中盤(35話)から登場した敵側の量産型MSです。
『Zガンダム』はプラモデルが社会現象となるほど売れた『ガンダム』の5年ぶりの続編でした。ガンダムシリーズのアニメがテレビ放送されて無かった間も、バンダイはMSVという形でガンダムのプラモの新作を発売していましたし、『ダンバイン』や『エルガイム』といったサンライズ制作のロボットアニメに登場するロボットのプラモデル新作を発売していました。
プラモデルのクオリティは、新作を設計すればするほど進歩します。しかし、『ガンダム』ほど売れません。だから、バンダイが『Zガンダム』にかけた機体は相当なものでした。
ガンプラには幾つかのサイズがありますが、小学生でも買いやすい1/144がスタンダードというか大衆仕様であり、1/100は高級車のようなものとお考え下さい(作りやすさで考えると逆になるのですが)。バンダイは『Zガンダム』の放送前から、それほど売れない量産機(それも露出が少なく印象も薄い敵側の機体)であるガルバルディβの1/100キットをかなり早い段階から用意するなどという、今では考えられないことまでしていました。
ところが『Zガンダム』のキットはそれほど売れませんでした。『Zガンダム』の冒頭は、『ガンダム』の連邦軍とジオン軍のデザインラインを引き継ぐMSが登場するのですが、話が進むに従って全く新しいデザインラインを持つMSが登場します。全く異なるシルエットに完全変形するアッシマーやバウンドドック、旧ジオン系ではないにも関わらず怪人・怪獣・巨人系のデザインラインを持つハンブラビやガブスレイやサイコガンダムMK-II、人型を敢えて外したバイアランやギャプランやジュピトリス製のMSたち……
そのどれもが旧『ガンダム』とは違うものを作ろうというデザイナーたちの挑戦心の現れであり、今となってはどれもこれも名デザインの冠をつけられているのですが、なにしろオタクは保守的です。結果、高額となる1/100はほとんど発売されなくなり、大型のMSたちは一回り小さい1/220スケールで発売されれば御の字、中盤から後半に渡って登場する敵側のMS、それも人型を外したり変形したりするバーザムやバウンドドックやポリノークサマーンといったMSはプラモデルとしてキット化されませんでした(この「挑戦的なMSデザイン→ファンからの拒否反応→十数年後に再評価」といった流れはその後『∀ガンダム』などで繰り返されます。また『逆シャア』や『SEED』では新規性よりも旧来ファンのニーズに重きがおかれるようになりました)。
これを補完するのが、当時から隆盛を極めだしたガレージキット、今なら完成品フィギュアということになります。
また、ガンプラは1998年のMG(1/100)や1998年のHGUC(1/144)といったブランドにおいて最新のテクノロジーで旧キットをリニューアルして発売するようになって以降、更に『SEED』ヒット後のコンテンツとしての復活以降、ある程度アニメに頼らずとも商品を売ることができるようになりました。「いま」テレビや映画館で放送されているコンテンツに登場するMSでなくても、人気さえあれば、プラモデルや完成品フィギュアとして販売されるようになったのです。
加えて、バンダイはプラモデルのキットをなかなか絶版にしない社風というか文化があります。
キャラクター事業部が作る完成品フィギュアの多くは一回かぎりの生産ですが、バンダイ模型を源流とするホビー事業部が作るプラモデルのキットは要望がある限り半永久的に生産を続ける(少なくともそのつもりである)という文化があります。実際、MGやHGUCといった形で同じMSの新しいキットが発売されても、旧キットは(回数こそ減りましたが)生産され続けており、手頃な値段や歴史的意義から、それなりに売れています。
だからこそ、世の中てきにあまり人気が無いMSはキット化の機会に恵まれないのですが、時間は常に我々の味方です。
キット化される時には、サクっとキット化されるのです。
2004年のHGUCサイコガンダム祭り
2005年と2007年のMGとHGUCアッガイ祭り
2006年と2010年のHGUCとMGジ・O祭り
2013年のHGUCゾゴック祭り
2012年や今年1月のHGUC・MGジム・スナイパーII祭り
……といった数々の「祭り」が開催されてきたわけです。
しかも、こういったキットは後発のメリットを活かし、技術的にはかなりこなれています。
、可動やプロポーションに優れているのはもちろんのこと、色ごとに異なるパーツに分かれ、クリアパーツやABS樹脂といった様々なマテリアルを使用した「いま」のクオリティで発売されるのです。
ただ、こういったMSは、映画化や続編での出演といった、本編とは違う形で有名になったからキット化されたという理由もあります。
ジム・スナイパー(カスタム)MK-IIなんて、『0080』本編じゃ数カットしか出番が無かったのですが、その後のガンダムゲームで「優秀な量産機」としての印象を確立した故のキット化だったりします(だから『0080』本編で使っていた実弾スナイパーライフルではなく、ゲームで使うビームライフルが標準付属したりしています)。