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マクガイヤーチャンネル 第180号 2018/7/18
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おはようございます。マクガイヤーです。

どうも夏風邪をひいたらしく、調子悪いです。

昼間はまだなんとかなるのですが、疲れが溜まってくる夜になると、咳き込んだり、目に目ヤニが溢れてきたりします。

喉が腫れているせいか、寝てるときに大きないびきをかいているらしく、家族からクレームをつけられたりしています。

次のニコ生までには治したいところです。



マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



○7月28日(土)20時~「ゾイド大特集」

2018年6月より、久しぶりの「ゾイド」新シリーズである「ゾイドワイルド」の展開がアナウンスされています。6/23頃から新しいキットが発売される共に、7/7より新アニメ『ゾイドワイルド』も放送されるそうです。

ゾイドといえば昭和の一期と平成の二期それぞれで大人気を誇ったシリーズですが、いよいよ復活して三期目の歴史を紡ぐことができるのかどうか、メカボニカやスタリアスの頃から親しんでいた自分としては、気が気ではありません。

そこで、これまでのゾイドの歴史を振り返ると共に、ゾイドの魅力について語る放送を行ないます。

今回は主に昭和ゾイドについて語ることになります。

ゲストとして、YouTube動画などで活躍しているじろす(https://twitter.com/jiros_zoids)さんに出て頂く予定です。

虹野ういろう(https://twitter.com/Willow2nd)おじさんもきっとまた出てくれるよ!



○8月5日(日)20時~「ここがヘンだよ! 細田守と『未来のミライ』」

7/20より細田守3年ぶりの長編アニメーション映画『未来のミライ』が公開されます。

細田守といえば、「ポスト宮崎駿」と評されるアニメ監督の一人です。東映動画や日テレとのつながり、スタジオジブリへの「出向」、版権映画での「本家越え」、自身の製作会社の設立……等々、国民的アニメ映画監督候補としての「資格」にも事欠きません。

そして同じく「ポスト宮崎駿」と評される新海誠と同様に、川村元気プロデューサーと組んで以降、作風に変化が生じた監督でもあります。

そこで、これまでの細田守作品や細田作品の特徴を振り返りつつ、『未来のミライ』について解説する放送を行います。

アシスタントとして編集者のしまさんが出演予定です。



○8月18日(土)20時~「俺たちも昆活しようぜ! 昆虫大特集」

7/13~10/8まで上野の科学博物館で昆虫特別展も開催されます。

夏といえば海に山に恐竜、そして昆虫! いま、昆虫が熱い!!

……というわけで、今年の夏のマクガイヤーチャンネルは昆虫を大特集する放送を行ないます。

昆虫に詳しいお友達の佐々木剛さん(https://twitter.com/weaponshouwa)をお呼びして、昆虫の魅力について語り合う予定です。





○Facebookにてグループを作っています。

観覧をご希望の際はこちらに参加をお願いします。

https://www.facebook.com/groups/1719467311709301

(Facebookでの活動履歴が少ない場合は参加を認証しない場合があります)



○コミケで頒布した『大長編ドラえもん』解説本ですが、↓で通販しております。ご利用下さい。

https://yamadareiji.thebase.in/items/9429081





さて、今回のブロマガですが、引き続いて藤子不二雄Ⓐ作品、『魔太郎がくる!!』について書かせて下さい。




●『魔太郎』と映画

『魔太郎がくる!!』は1972年7月17日号から1975年11月24日号まで、3年と4ヶ月にわたって連載が続きました。

1年や2年で連載が終了した『黒ベエ』や『狂人軍』とは異なるわけですが、これだけ長期連載作になってくると――長期連載されたⒶ作品に共通の現象なのですが――連載途上で作風に変化が生じてきます。

もっと直接的に書けば、初期コンセプト「限度を越えたいじめを受けた魔太郎が、凄惨な方法で復讐する」からのブレが生じてきてしまうのです。

この理由の一つはマンネリズムに陥らないようにしようという作家の意思ですが、他にも理由があります。


以前、親しくさせて頂いている漫画家の山田玲司さんが「長期連載作になるとその人の本音や素性が出てきてしまう時がある」というようなことを仰っていました。

連載、特に週間連載が続くと、「なんでも良いから○日までに描かないと落ちる」という局面がやってきます。

そのように追い込まれた状況下、作品のコンセプトからある程度離れてしまったものを描いても、一定のクオリティさえ担保されていれば編集からのOKが出るそうです。

そしてまた、そのような状況下では、作家は自分の内面にある本音や素性をうっかりと描いてしまうもの、いや、描かざるをえない――ということなのでしょう。


というわけで、『魔太郎』の連載が1年を越えると、銃や武器や切手や蝿男や食虫植物……等々、これまでⒶ作品に出てきた要素が頻出します。長期連載作においてマンネリズムを避けるために、毎回新しいネタやモチーフやテーマを入れる必要があるからなのですが、それらの大半が以前の作品で使ったネタや、映画関連のネタだったりします。「うらみの99番 魔太郎ひとり旅」では、夏休みを利用して旅にいくという体で、いかにもホラー映画な山小屋や日本にあるとは思えないヨーロピアンな城に迷い込んだり、ブラックユーモア作品における旅行もののように船旅を愉しんだりします。


特に印象的なのは、映画に関連したネタやテーマの回です。「うらみの78番 燃えよ!!魔太郎」は強烈です。

1973年に公開された『燃えよドラゴン』は世界中で大ブームを巻き起こしました。背の低いアジア人にも関わらず、細マッチョを通り越したムキムキの筋肉でめっちゃ強いという理由から、ブルース・リーは瞬く間に世界中のボンクラたちのヒーローになりました。『ブギーナイツ』で、まだ何者でもなかったボンクラ主人公が部屋にブルース・リーのポスターを貼っており、これを母親に剥がされたのが理由で家を出て行くシーンは、世界のボンクラ少年の胸をうちました。


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ボンクラなことにかけてはひけをとらない我らが魔太郎も当然のようにブルース・リーのファンです。映画に影響され、クラスメイトといっしょに拳法を習います。

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拳法の先生がどことなくブルース・リーに似ているのはご愛嬌です。

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普段は運動オンチな魔太郎ですが、ことブルース・リーとなれば話は違います。辛い練習で皆が脱落していく中、ドラゴンに憧れる魔太郎は練習に真面目に取り組みます。先生の覚えもめでたいです。

しかし、これに嫉妬したクラスメイトが……といういつもの話なのですが、魔太郎の復讐方法がすごい!

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まず、「うらみ念法 肉体移し」で肉体はブルース・リーを越えるマッチョに!

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依り代を通して呪いを伝えるのはいつものことですが、今回はパンチに地獄突き、怪鳥音のような叫び声もいさましいです。そしてとどめは『ドラゴン怒りの鉄拳』で橋本力を倒したかのような飛び蹴り!


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1971年、Ⓐはつのだじろうと一緒に極真会館で大山倍達から空手の稽古をつけてもらったことがあるそうです。週三回の稽古のおかげで心身共に健康になったそうなのですが、健康な心では漫画を描けないこと、そして稽古があまりにも辛かったことから数ヶ月で旅行を理由に稽古を辞めたそうです。一方で、つのだじろうは真面目に稽古を続けたとか。


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…やがて「先生ひとりでは大変だろうから、だれか友達をさそって一緒にやらないか?」と、おっしゃるので、藤子不二雄A君をさそったら、彼も興味津々で乗って来て、一緒に極真へ通いはじめた。 彼自身も多忙を極めているから、お互いにもう必死で…稽古が終わる頃にはもうフラフラ。 帰り道の一杯のビールの、それはそれは…旨かった事!

あれほど旨いビールはその後、お目にかかった事がない。 これも、いまでは笑い話だが藤子A君は2ヶ月程で、海外旅行をするのを理由に、このハードな稽古から撤退した。


(『空手バカ一代 (故)大山師をしのんで…』2004年)

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つまり、この回に出てくる魔太郎も、稽古を投げ出したり魔太郎に嫉妬したりするクラスメイトも、両方共にⒶの分身であるというわけですね。



●怪奇やの主人と『オペラ座の怪人』

もう一つ、映画に関連してどうしても言及しておきたいことがあります。

『魔太郎』は中盤から、「怪奇や」という怪奇グッズを扱う店がたびたび登場します。この「怪奇や」を通して出会うことになる怪奇グッズはⒶが旅行先で買い求めた「変コレクション」がモデルとなっているのは他のブラックユーモア作品と同様ですが、注目したいのは「怪奇や」の主人が常に被っているマスクです。

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これは、『オペラ座の怪人』の怪人ことエリックのマスクです。それも1925年版、ユニバーサル映画が製作し、ロン・チェイニーがエリックを演じる映画『オペラ座の怪人』のマスクです。