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【第239号】『フリーソロ』と『クレイジージャーニー』
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【第239号】『フリーソロ』と『クレイジージャーニー』

2019-09-18 07:00
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マクガイヤーチャンネル 第239号 2019/9/18
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おはようございます。マクガイヤーです。

なんだか涼しくなってきたので快適に過ごせている毎日です。

久しぶりに海に行くこともできたのですが、涼しいを通り越してちょっと寒くもなってきました。なかなか上手くいきませんね。




マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



○9月22日(日)19時~「メガドライブミニ発売記念 おれたちのメガドライブ」

9月19日にメガドライブミニが発売されます。ファミコンミニやプレイステーション クラシックといった先行ミニハードと比べて、多くのメガドライバー達が望んだソフトが収録された、ある意味で理想のミニハードです。

……ですが、現在アラフォー、アラフィフのメガドライバー以外にはあまりピンとこないのかもしれません。

そこで、メガドライブの歴史や有名タイトルについて紹介すると共に、メガドライブミニがどのように凄いかを解説するような放送を行います。

ゲストとして久しぶりに友人のナオトさん(https://twitter.com/Triumph_march)に出演して頂く予定です。



○10月7日(月)19時~「最近のマクガイヤー 2019年10月号」(いつもと曜日が異なりますのでご注意ください)

詳細未定。

いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。



○10月20日(日)19時~「インセクター佐々木presents モンスターハンターの博物学」

9月6日に『モンスターハンターワールド:アイスボーン』が発売されます。本作はモンスターハンター・シリーズの最新作『モンスターハンター:ワールド』の超大型拡張DLCになります。

そこで、モンスターハンターに詳しい友人のインセクター佐々木さん(https://twitter.com/weaponshouwa)をお迎えしてモンスターハンターシリーズの歴史や各タイトル、登場するモンスターのデザインやモチーフについて解説し、ゲームの魅力を紹介する放送を行います。昆虫だけじゃないよ!



○藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本の通販しています

当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。

https://macgyer.base.shop/items/19751109



○『やれたかも委員会』に取材協力しました。

『やれたかも委員会』(https://note.mu/yoshidatakashi3/n/na63c34ee5adc)の「童貞からの長い手紙」に取材協力しました。単行本1巻分のエピソードになるそうです。

ちなみに基になったお話はこちら

https://ch.nicovideo.jp/macgyer/blomaga/ar1011063





さて、今回のブロマガですが、現在公開中の映画『フリーソロ』と、やらせ問題で話題になっている『クレイジージャーニー』について思うところを書かせて下さい。


https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/060700213/



●映画『フリーソロ』とは

『フリーソロ』は昨年のアカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞しました。たとえアカデミー賞を受賞したとしてもドキュメンタリーが日本の劇場で大々的に公開されることは少ないのですが(せいぜい単館公開)、本作は全国59館という比較的大きな規模で公開されてます。

映画を観ればその理由が分かります。とにかく圧倒的な映像が続き、最後は誰しもが手に汗握ってしまう魅力があるからです。


岩や山を登るためにボルトやハーケンといった道具を一切使わないスタイルのことを「フリークライミング」といいます。唯一、万が一落ちた時に体を支えるためだけにロープを使うのですが、登るためにこのロープに体重をかけたり引っ張ったりした途端フリークライミングではなくなってしまいます。シューズと滑り止めのチョークは使うものの、基本的には身一つで岩を登ることがコンセプトのスポーツだからです。


「フリーソロ」は、保険となるロープすら使わないという究極のクライミングです。当然、危険を伴います。ある程度の高さから落ちたら怪我や死を免れません。何も知らない人が聞けば、明らかに狂っていると感じるでしょうが、そこには多くの装備を使って山を登る旧来のクライミング(アルパイン・クライミング)に対する歴史的かつ哲学的なアンチテーゼがあるのです。


映画『フリーソロ』はそのフリーソロスタイルで、ヨセミテ国立公園にある世界一大きな花崗岩の一枚岩「エル・キャピタン」を登ろうとするプロクライマー、アレックス・オノルドを主人公としたドキュメンタリーです。

エル・キャピタンの高さは約1000メートル、東京スカイツリーよりも高いので、当然落ちたら死にます。普通の登り方だと3、4日かかる(なんでも、あちこちからおしっこの匂いがするそうです)ところを、アレックスとその仲間たちはフリークライミングで3時間ほどで登ります。しかし、そんな仲間たちの間でもエル・キャピタンをフリーソロで登ろうとするのはアレックスだけです。一歩、一手、一動作間違えれば、確実に死ぬからです。



●登山スタイルとしての「フリーソロ」の魅力

ここで重要なのは、たとえフリーソロでエル・キャピタンを登ったとしても、名誉以外には何も得られないということです。いや、アレックスは既に他の数々の山を登っているばかりか、フリークライミングでのエル・キャピタン世界最速登攀記録まで持っている世界的トップクライマーなので、名誉は高止まっています。今更フリーソロでエル・キャピタンを登っても、死というリスクと引き換えるに相応の仕事や収入が増えることは無いでしょう。


しかし、これは逆にいえば、おカネにも名誉にも代え難い、自分だけしか理解できない価値と満足感がここにはあるということです。特に、フリーソロというスポーツの哲学性がこれらをいや増します。先輩格のフリークライマー(たしかピーター・クロフト)が「とにかく登る理由が大切なんだ」と繰り返したり、アレックスの脳を調べたら普通の人よりも恐怖を感じ難かったり(満足感を抱きにくい、ということでしょう)する描写に納得したりもします。


アレックス本人は、この挑戦を一か八かの賭けとは全く考えていないことが、また凄いです。普通の登山家なら一回登っただけで一生の思い出となるであろうエル・キャピタンを、アレックスは練習として一シーズンに何十回と登ります。日誌をつけ、自分の動作や失敗した箇所やその克服手段や考えられる選択肢などをログとして記録にとります。そして出来上がったのは、スタートから頂上にたどり着くまで身体をどう動かせばいいのかという、数千手に渡る完璧な手順表でした。アレックスは当然これを暗記しており、「実際はオートパイロットだ」とのたまう姿には、信じられない神業にみえる偉業でも、実際は地道でつまらない動作と試行錯誤の連続から成るのだという当たり前のことを思い出させてくれます。


自分は二、三回ジムでボルダリングを経験しただけなのですが、本格的にフリークライミングをやらないで本当に良かったと思いました。フリークライミングの経験者の中には、本作を観てアレックスのようにフリーソロでエル・キャピタンや、その他の「ビッグ・ウォール」と呼ばれる山を登ってみたいと考えてしまう人もいるでしょう。そのくらいの魅力が本作にはあります。

 
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ドクが「フリーソロ」を見てられてとは。偶然、私も昨日見に行きました。ここまでの偉業を成し遂げたオノルドの次の目標は、どんなものになるのか心配になってしまいました。翻訳監修を平山ユージがしてましたが「カチ」とか「ガバ」とかクライミングをしない視聴者に果たしてわかるのだろうかと思いました。

No.1 63ヶ月前
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