おはようございます。マクガイヤーです。
三連休でだいぶゆっくりできたはずなのですが、ゆっくりしすぎて無駄に過ごしてしまった気もします。
マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。
〇10月23日(月)19時~「最近のマクガイヤー 2023年10月号」
その他、いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
〇11月13日(月)19時~「『ゴジラ-1.0(ゴジラ マイナスワン)』とALWAYS山崎貴STORY」
11月3日より『シン・ゴジラ』以来7年ぶりとなる国産実写ゴジラ映画『ゴジラ-1.0』が公開されます。『ゴジラ』シリーズ37作目であり、ゴジラ生誕70周年記念作品と位置付けられているそうです。既に予告が公開されており、『シン・ゴジラ』を越えるハードでシリアスな描写がありそうで、SNS等で盛り上がっています。山崎貴監督映画が公開前にこんなにも(良い意味で)盛り上がるなんて、初めてのことかもしれません。
山崎貴、そう山崎貴です。処女作である『ジュブナイル』が最高傑作であると長い間言われ続け、『ALWAYS 三丁目の夕日』が良い意味でも悪い意味でも日本映画界を変え、百田尚樹原作映画で荒稼ぎした後、『アルキメデスの大戦』で心を入れ替えたのかと思えば、『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』で観客を怒らせた、あの山崎貴です。
毀誉褒貶が激しい山崎貴が『ゴジラ』シリーズ新作を監督する。しかも、予告を観る限り心を入れ替えた方の山崎貴です。「STAND BY ME」や「DESTINY」といったアルファベットの副題もついていません。皆が盛り上がるのも分かります。
そこで『ゴジラ-1.0』について解説しつつ、映画人としての山崎貴の本質に迫るような放送を行います。
ゲストとして編集者のしまさん(https://twitter.com/shimashima90pun)をお迎えしてお送り致します。
〇11月27日(月)19時~「最近のマクガイヤー 2023年11月号」
詳細未定。
いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています
当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。
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また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。
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合わせてお楽しみ下さい。
さて、本日のブロマガですが、映画『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』について書かせて下さい。
●『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』とは
そもそも自分はあんまり『ミュータント・タートルズ』のことが好きではなかったのですよ。
『ミュータント・タートルズ』こと『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』が白黒の同人誌として生まれたのは84年、アニメ化されて幅広い人気を獲得したのは87年でした。75年生まれの自分は直撃世代といって良いでしょう。
日本では、89年にゲーム『激亀忍者伝』が発売、90年にいきなり実写映画版の『ミュータント・タートルズ』が公開、翌91年にアニメが4年遅れで放送されました。シリアスな原作コミックも入手可能だった米国とは異なり、ゲームとアニメと玩具でしか紹介されなかった日本での『タートルズ』人気はいま二つくらいだった、と言い切って良いのではないかと思います。
特に自分は『タートルズ』の、こういうの子供が好きなんですよね的なキチャないキャラデザやら毒々しい色使いやらがあまり好きではありませんでした。実写映画、特に『2』の全力で子供向けなノリも馬鹿にされてるようで嫌悪していました。以後、『タートルズ』は何度もゲーム化・映像化されたのですが、ほとんど思い入れの無い自分にとってはすべてがいま二つくらいのコンテンツでした。2014、16年の実写映画も、ミーガン・フォックスが出てなければ観なかったかもしれません。
●アートワークの凄さ
そんな自分が何故『ミュータント・パニック!』を劇場まで観に行ったのかというと、とにかくアートワークが凄そうだったからです。
現在の、「いま」の3DCGアニメ映画は、単に3DCGのキャラを作って動かすだけでは誰も満足しないジャンルになってしまいました。
最も顕著なのは『スパイダーバース』やその続編『アクロス・ザ・スパイダーバース』で、原作コミックのアートを再現するのは当たり前で、シーンによって水彩画やイラスト的表現を使い分けたりするのです。おそらく『スパイダーバース』に影響を受けたであろうドリームワークスの『バッドガイズ』や『長ぐつをはいたネコと9つの命』も同様で、コンセプトアートがそのまま動くような映像表現を実現しています(興味深いことに、ピクサーはこの流れに対して若干保守的です)。
で、実際に『ミュータント・パニック!』を観てみると、やはり映像表現は凄まじかったです。コンセプトアートがそのまま動くという意味ではソニーピクチャーズやドリームワークスのアニメの流れを継いでいますが、それが時にクレイアニメのようにみえたり、屋内や夜間シーンでのライティングに凝りまくり、時にネオンやブラックライトに照らされた蛍光カラーが光り輝き、よくできた絵画やイラストのような美しさです。下水道に住み、夜な夜なニューヨークの街に繰り出してピザを食べる『タートルズ』が屋内や夜間シーンでのライティングに凝るのは考えてみれば当たり前のことですが、これまでの作品でここまでアート的に充実したシーンはほとんど無かったのです。
●マイノリティとしてのミュータント
自分が関心したのは、アートワークが凄かっただけではなく、更にお話が「いま」の映画としてちゃんとしていたことです。