おはようございます。年度末でドキドキなマクガイヤーです。
前回の放送「今だから復讐したい『ジャンゴ 繋がれざる者』とタランティーノ映画」」は如何だったでしょうか?
タランティーノの過去作だけでなく、西部劇とマカロニウエスタン、映画史と黒人奴隷モンド映画と、一連の流れについてひとしきり喋ることができて、それなりに満足しております。
今後の放送予定ですが、以下のようになっております。
○3/24(木)20時~
「最近のマクガイヤー 2016年3月号」
いつも通り、最近面白かった映画や漫画やについて、まったりとひとり喋りでお送りします。
・『映画プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法!』
○4/1(土)20時~
「2時間でわかるアメコミヒーローとアメコミ映画と『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』」
3/25(金)より期待のアメコミ映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』が公開されます。
また、その後も『キャプテン・アメリカ:シビル ウォー』、『スーサイド・スクワッド』、『X-MEN:アポカリプス』、『デッドプール』とアメコミ映画の期待作が続々公開されます。いずれも(『デッドプール』も!)多数のスーパーヒーローやスーパーヴィランが競演する映画だとアナウンスされています。「いっぱいいすぎてわかんねえよ!」とお嘆きの方もおられるかもしれません。
そこで、これまでのアメコミヒーローの歴史、アメコミ映画の歴史から、直近で映画が公開されるバットマンとスーパーマンまでを、ざっくり2時間で語る予定です。これでもう大丈夫!
以上、ご期待ください。
さて、今回のブロマガですが、タランティーノについて語り損ねたことについて書かせてください。そう、まだあるんですよ!
とにかくタランティーノといえば、庵野秀明と並び称される90年代のヒーロー監督だったわけです。90年代に多感な時期を過ごした自分としては、思い出深い存在なのです。
元レンタルビデオ屋の店員という出自も、レンタルビデオ屋でバイトをしていた自分としては、他人事と思えない親密さを感じてしまいます。ニコ生でも少し語りましたが、私がバイトしていた店にはタランティーノにそっくりの先輩がいて、先輩と一緒に『フロム・ダスク・ティル・ドーン』を観にいったことは良い思い出です。『フロム・ダスク・ティル・ドーン』は、タランティーノが脚本を書き、出演もした映画です。
あの頃にレンタルビデオ屋でバイトしていた人間なら誰でも、一度は「自分もタランティーノになれるかも」という夢想をしていたものです。したことがないという人間は、それほど映画を好きではない人間と断言してかまわないでしょう。そんなやつらはAVでも観とけばいいんじゃい! まぁ、おれもAVばかり借りてたけどな!
……ハリウッド映画の上映時間の目安は、だいたい80~100分とされています。予告編に10分、館内清掃に20分必要です。そして、映画館の開館時間は、早くてもだいたい朝の9時、閉館時間は夜の0時ちょっと、というのが普通です。
上映時間が100分の映画なら、1日で6回上映できます。ところが、150分つまり2時間半の映画ですと、1日に上映可能な回数は5回です。シネコンのスクリーンは、どんなに少なくても最低でも80人は座れるように設計されています。1回上映時間が減るだけで、かなりの機会損失となるのです。
にも関わらず、クエンティン・タランティーノが監督する映画の上映時間は、とにかく長いです。
処女作である『レザボア・ドッグス』は100分ですが、おそらくこれはプロデューサーから「100分以内で作れ」という指示がでていたからでしょう。『レザボア・ドッグス』の成功によりある程度自分のやりたいようにやれる自由を得たタランティーノは、次作『パルプ・フィクション』を154分、次々作『ジャッキー・ブラウン』も同じく154分と、2時間半越えの映画を連作します。
『キル・ビル』は『Vol.1』も『Vol.2』も2時間以内ですが、これらは元々1本の映画だったのあを、あまりに長くなりすぎることが予想された為、二作に分けて公開されたのは有名な話です。
『デス・プルーフ』も2時間以内ですが、本作はロバート・ロドリゲスが監督する『プラネット・テラー』や実在しない映画の予告編4本と共に『グラインド・ハウス』という1本の映画(群)として上映されるために作られました。ちなみに『グラインドハウス』の上映時間は191分です。おしっこ漏れそうですね。
その後も、『イングロリアス・バスターズ』は153分、『ジャンゴ 繋がれざる者』は165分、『ヘイトフル・エイト』は167分と、2時間半を越える映画ばかり作っています。
何故タランティーノの映画はこんなにも長いのでしょうか?
(この続きは有料でお楽しみください)