私はジョギングを約45年続けてきた。過労か、足の親指の周辺に異常をきたし、今はジョギングを中断し、皇居周辺を歩いている。急にウオーキングに関心が出た所で、ソル

ネット著『ウォークス』(左右社、4500円)に出合った。ソルネットは雑誌「ウトネ・リーダー」誌が「貴方の世界を変える25人の思索家」に選んだことがある。

 この本は517頁もある。

 彼女は指摘する。「徒歩移動はいつでも、目を楽しませ、目に入るものについて考えることを楽しみながら、新奇なものを既知の世界へ回収していく活動だ」この本もそういう本だ。目的地に早急にたどり着くつくことを求めていない。徒歩にまつわる様々な現象を紹介している。

徒歩に向かう動機にはいろいろある。通常、健康との関係で、徒歩が評価される。英国の貴族は徒歩を行うために英国式庭園を造り、領地を拡大した。他方英国では、産業革命後、都市の人々は劣悪な環