日本に先に撃たせる米国の作戦

〈当面の問題は、われわれがあまり大きな危険にさらされることなしに、いかにして、日本

に最初の攻撃の火蓋を切らせるような立場に追い込むか、ということだった。〉

出典:『太平洋戦争秘史』(每日新聞社、一九六五年)中「スティムソン日記」(一九四一年一一月二五日)

■解説

ヘンリー・スティムソンは一八六七年生まれ。第二次大戦中は陸軍長官。『太平洋戦争秘史』(每日新聞社、一九六五年)より関連箇所をさらに引用する。

〈一一月二五日の正午にマーシャル将軍と私(スチィムソン)はホワイトハウスに出かけた

が、会議は午後一時半までかかった。ハル(注:国務長官)、ノックス(注:海軍長官)、マ

ーシャル(注:陸軍参謀総長)、スターク(注:海軍作戦部長)および私が参会者だった。

大統領は欧州戦に参加の場合の国家行動(ビクトリー・パレード)をとりあげずに、本日は

対日関係だけを議題にし